<新興国eye>前週のブラジル株、米中協議懸念や油田入札不調で5週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2019/11/11 11:26

 前週(4-8日)のブラジル株式市場は8日のボベスパ指数が前日比1.78%安の10万7629、週間ベースでは1日終値比0.52%安となり、5週ぶりに反落した。

 週明け4日の指数は続伸して始まったものの、5日は売り優勢に転じ、6日も値を下げ、続落した。

 週前半は、前の週末にロス米商務長官が米経済通信社ブルームバーグのインタビューで、米中通商協議が部分合意に向けて前進し、11月に正式調印する可能性を示唆したことが買い材料となった。ただ、指数が過去最高値水準で推移し、相場の過熱感が高まったこともあり、次第に利益確定売りに押される展開となった。

 7日は3日ぶりに反発した。ブラジル政府が6日に実施した過去最大規模の沖合油田開発の入札に英石油メジャーのBPや仏石油メジャーのトタルなど海外勢が参加せず、ブラジル国営石油大手ペトロブラスがブジオス鉱区の開発権の90%、また、イタプ鉱区の100%を落札した一方で、セピア鉱区とアタプ鉱区には全く応札がないという散々な結果に終わったことが売り材料となったものの、その後、ペトロブラスの沖合油田の鉱区落札に対し、外国人投資家からの見直し買いが強まり、ペトロブラスが急伸。指数を押し上げた。

 週末8日は急反落した。米国のトランプ政権が対中関税の撤廃に難色を示しているとの報道を受け、中国政府が先に発表した双方の追加関税の段階的撤廃合意の信ぴょう性が低下し、売りが強まった。また、17年に収賄と資金洗浄で禁錮9年6カ月の有罪判決を受けたルラ元大統領が収監先から釈放されたことを受け、政治混乱懸念が広がったことも地合いの悪化につながった。

 今週(11-14日)の株式市場は、米中通商協議や世界景気減速、年金改革法案、国営企業の民営化、経済改革の見通し、海外市場、特に米株市場、原油などの国際商品相場、レアル相場、米国による対イラン追加制裁、英・EU(欧州連合)離脱を巡る総選挙の動向などの地政学的リスクなどが焦点となる。主な経済指標の発表の予定は13日の9月小売売上高など。15日は「共和制宣言記念日」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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