米19年12月新築住宅販売件数、前月比0.4%減の69.4万戸―市場予想下回る

経済

2020/1/28 9:55

<チェックポイント>

●販売件数3カ月連続で減少―価格上昇や在庫不足で伸び悩む

●19年10-12月の月平均販売件数は69.9万戸―前3カ月(9-11月)を1.4%下回る

●19年年間販売件数は前年比10.3%増

 米商務省が27日発表した19年12月の新築住宅販売件数(季節調整済み)は前月比0.4%減の年率換算69万4000戸と3カ月連続で減少。市場予想の72万5000戸も下回り、19年7月(66万戸)以来5カ月ぶりの低水準となった。

  過去3カ月の数値は、11月が前回発表時の71万9000戸から69万7000戸、10月が71万戸から70万5000戸、9月が73万戸から72万5000戸と、いずれも下方改定された。10-12月の月平均の販売件数は69.9万戸と、前3カ月(9-11月)の70万9000戸を1.4%下回った。

 一方、季節要因を無視できる前年比は23%増と7カ月連続で前年水準を上回り、堅調を維持した。1-12月累計販売件数でみても前年比10.3%増の68万1000戸となり、18年水準を上回った。

 住宅販売が堅調となっている背景には、住宅ローン金利が低下傾向にあることや良好な雇用情勢に支えられ、住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)が高まっていることがある。ただ、12月は住宅価格の急伸や手ごろな価格帯の物件不足で販売件数が減少した。

 全体の販売件数のうち、着工前の販売件数は前月比24.4%増の21万4000戸と11月の同11.8%減(改定前は同8.0%減)から3カ月ぶりに増加に転じた。また、建築中の新築住宅の販売件数は同4.4%減の23万8000戸と11月の同3.8%増(同3.3%増)から減少に転じたが、前年比では24.4%増と、住宅販売の増勢は続いている。

 12月の住宅価格をみると、中央値(季節調整前)は手ごろな価格帯の在庫不足で、前月比3.3%上昇の33万1400ドルと、11月の同0.8%低下から上昇に転じており、4月(33万9000ドル)以来8カ月ぶり高値となった。前年比も0.5%上昇となった。販売価格帯をみると、30万ドル超の高額物件の販売比率は60%と11月の58%を上回り、高めの物件にシフトした。一方、15万-30万ドル未満の手ごろ物件の比率は前月の41%から39%(1年前は37%)に低下した。

 地域別の販売件数は、全体の約6割を占め販売件数が最も多い南部が同15.4%減(前年比1.1%減)と3カ月連続で減少したほか、北東部も同11.8%減(同11.1%増)と急減した。その一方で、全体の約3割を占め、南部に続いて販売件数が多い西部が同31%増(同99.2%増)と大幅増に転じ、中西部も同10.1%増(同16.9%増)となった。

 住宅供給面をみると、12月の新築住宅在庫(着工前や建築中の住宅も含む。季節調整値)は前月比1.6%増(前年比5.5%減)の32万7000戸と11月の同0.3%減から底打ちし、7月(32万8000戸)以来5カ月ぶりの高水準となった。これを12月の販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準も5.7カ月相当と、11月の5.5カ月相当を上回ったが、1年前の7.4カ月相当を下回っている。住宅建築業界が需要と供給のバランスが取れた容認可能な水準とする6カ月相当を下回り続けており、全体的に供給は依然タイトな状況だ。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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