栄研化学、タカラバイオなどウイルス検査関連に買い、新型肺炎で対象範囲拡大へ、機器のA&Tなども思惑

株式

2020/2/10 9:07

 栄研化学<4549.T>がカイ気配でスタートしたほか、タカラバイオ<4974.T>も高い。政府が新型コロナウイルスの検査対象の範囲を拡大する方針を打ち出し、試薬や簡易検査キットの関連銘柄への関心が高まっている。また、横浜港に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」内での集団感染に歯止めが掛からない問題で、9日の民放番組に出演した加藤勝信厚労相は、乗客乗員全員(約3700人)の検体検査を検討する考えを述べた。

 厚労省では直近、日本国内での検査対象の拡大を全国の自治体に通知した。検査に使う試薬や機器の拡充が課題となるため、国による検査体制の支援が思惑視されている。栄研化は迅速な検査が可能な独自技術「ランプ法」を擁し、SARS(重症急性呼吸器症候群)コロナウイルス向けにもキットを提供した実績がある。新型コロナウイルスについても開発を検討しており、このテーマの本命格になりつつある。

 タカラバイオはこのほど主力の中国工場で、検体の遺伝子を増幅して感染を判定する「PCR法」と呼ばれる検査の試薬の生産量を従来比50倍に引き上げた。また、デンカ<4061.T>も新型肺炎の検査キットの開発に着手したと伝わっている。このほか、検査用試薬ではカイノス<4556.T>や東洋紡<3101.T>も浮上する。

 検査機器では検体検査の自動化システムのエイアンドティー(A&T)<6722.T>、OEM(相手先ブランドによる生産)のプレシジョン・システム・サイエンス<7707.T>にも買いが先行している。

提供:モーニングスター社

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