<新興国eye>前週のブラジル株、世界景気の減速懸念や原油安受け4週続落=BRICs市況

新興国

2020/3/16 11:23

 前週(9-13日)のブラジル株式市場は13日のボベスパ指数が前日比13.91%高の8万2677.9、週間ベースでは6日終値比15.63%安となり、4週続落した。

 週明け9日の指数は大きく値を下げ、3営業日続落して始まった。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による世界経済のリセッション(景気後退)懸念やサウジアラビアによる原油の値下げ販売競争の激化で原油価格が急落したことが嫌気され、指数は12%超と、20年超ぶりの大幅下落を記録した。

 10日は4営業日ぶりに反発。売られ過ぎとの見方や米株市場の上昇を好感し、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが入った。

 11日は反落し、12日も値を下げ、続落した。

 週後半は、WHO(世界保健機関)がコロナウイルス感染を「パンデミック(感染症の世界流行)」と宣言したことで世界景気悪化懸念が再び強まり、売りが優勢となった。また、トランプ米大統領が米国内でのウイルス感染拡大を阻止するため、英国とアイルランドを除く欧州各国からの入国を30日間停止する渡航規制を発表したことで世界景気悪化懸念が強まり、指数は約15%安と、22年ぶりの大幅下落となった。

 週末13日は3日ぶりに急反発した。前日の相場急落を受け、買い戻しが活発化した。また、市場では20年のGDP伸び率が鈍化する見通しのため、ブラジル中銀が次回18日の金融政策決定会合で利下げするとの見方が強まった。

 今週(16-20日)の株式市場は、引き続き新型コロナウイルスの世界的感染拡大や英・EU(欧州連合)離脱移行手続き協議、中東、特にイラン・シリア情勢などの地政学リスク、世界景気、経済改革、海外市場、特に米株市場、原油などの国際商品相場、ブラジル中銀の金融政策決定会合、さらには3月17-18日開催FOMC(米連邦公開市場委員会)などが注目される。主な経済指標の発表の予定は16日の実質雇用者数など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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