経営破たんのレナウンに売り注文殺到、アパレル関連に売り波及

株式

2020/5/18 9:16

 民事再生法の適用を15日に東京地裁に申請したレナウン<3606.T>(整理)に売り注文が殺到し、ストップ安必至の様相になっている。厳しい事業環境が意識され、百貨店への依存度が大きい他のアパレル株にも売りが波及している。

 新型コロナウイルスの感染拡大後で、上場企業としては初めての経営破たん。「ダーバン」などを展開する同社の負債総額は138億円。今後支援先を探して経営再建を目指すが、株式は6月16日に上場廃止となる見通し。折から業績不振にあえいでいた同社。中国の繊維メーカーの傘下で立て直しを図っていたが回復には至らず、20年12月期は67億円の最終赤字だった。財務基盤が弱っていた状況で、主要販路の百貨店が新型コロナにより一斉に営業を自粛。収入が絶たれ立ち行かなくなった。

 新型コロナをめぐっては、4月の大手百貨店各社の売上高が前年同月比で7-8割の大幅減となった。米国では老舗デパートのJCペニーやニーマン・マーカスが、日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条の申請に追い込まれている。

 レナウンの破綻を皮切りに、アパレル株や百貨店への売上依存が大きい銘柄には投資家の疑心暗鬼が広がりやすくなっている。18日は三陽商会<8011.T>やオンワードホールディングス<8016.T>、ルックホールディングス<8029.T>、ナルミヤ・インターナショナル<9275.T>、バッグのサマンサタバサジャパンリミテッド<7829.T>などが売られている。

提供:モーニングスター社

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