<新興国eye>前週のロシア株、ウクライナ戦争の激化やルーブル安、原油安を受け続落=BRICs市況

新興国

2023/6/12 9:07

 前週(5-9日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の9日終値が前日比0.05%安の1032.29、前週比では2日終値比1.8%安と、続落した。

 週明け5日は指数が下落。8日まで5営業日続落した。

 週前半は、ウクライナ戦争の激化で地政学的リスクが高まり、利食い売りが広がった。ただ、ブレント原油先物がOPEC(石油輸出国機構)プラスの減産決定を受け、1バレル当たり77ドルに上昇したため、下値は限られた。その後はウクライナ軍とロシア軍の攻防激化やルーブル安が嫌気され、売りが一段と強まった。個別銘柄では電力大手ユニプロ(旧エーオン・ロシア)が配当見送りを受け、急落、下げを主導した。

 週後半は、ルーブル安が嫌気され、売りが優勢となった。ただ、これまでの相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが強まったことや、原油価格が77ドル超に回復、海外市場も堅調となったため、下げは限定的となった。その後は、ウクライナ戦争の鎮静化で地政学的リスクが緩和したものの、引き続き、ルーブル安が重石となった。個別銘柄ではインターネットサービス最大手ヤンデックスがロシア事業と国際事業に分割することにより、米ナスダック市場での上場廃止を回避することに成功したことを受け、急騰、相場を下支えした。

 週末9日は6営業日続落。積極的な買いを仕掛ける材料が乏しい中で、売りが優勢となった。

 今週(13-16日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える13日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や14日の米EIA週間石油在庫統計、FRB(米連邦準備制度理事会)とECB(欧州中央銀行)の金融政策決定会合(それぞれ14日と15日)も注目される。主な経済発表の予定は15日の1-3月期GDP伸び率など。RTS指数は1000-1070の値動きが予想される。12日は「ロシアの日」の祝日で休場。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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