米5月小売売上高、前月比0.3%増―市場予想に反して2カ月連続で増加

経済

2023/6/16 9:56

<チェックポイント>

●自動車やホームセンター、外食が堅調―ガソリンは大幅減

●コア小売売上高は前月比0.2%増―4-6月期GDP押し上げへ

●市場は個人消費の高止まりを予想

 米商務省が15日に発表した5月の小売売上高(季節・営業日調整後)は、前月比0.3%増の6866億ドルとなり、市場予想の平均値である0.2%減に反して2カ月連続で増加した。

 カテゴリー別では、全13業種のうち、前月比で9業種が増加、2業種が減少、2業種が横ばいだった。月ごとに変動が大きい自動車が前月比1.4%増と大きく伸び、全体を押し上げた。このほか、ホームセンターなどの建築資材・園芸や家具の急増も寄与している。市場が景気のバロメーターとして注目している外食(レストラン・バー)は同0.4%増と、3カ月連続で増加した。アパレル、ヘルス(薬局・美容)は横ばい。

 対照的に、ガソリンスタンドは同2.6%減となり、7カ月連続で減少した。原油価格が低下したことが背景。また、どのカテゴリーにも入らないその他店舗が1.0%減となった。

 前年比は1.6%増と、前月の伸び(1.2%増)を上回り、伸びが加速した。ただ、過去3カ月間(3-5月)の伸びは前3カ月(22年12月-23年2月期)比0.1%減と、伸びが鈍化したが、前年比では1.7%増と、依然、堅調を維持している。

 自動車が大きく伸びたため、自動車・同部品だけを除いた小売売上高は同0.1%増と伸びが落ち着いたが、市場予想と一致した。一方、大幅に減少したガソリンを除いた小売売上高は同0.6%増と2カ月連続で増加した。自動車・同部品とガソリンを除いた小売売上高は同0.4%増。

 ガソリンスタンドと自動車・同部品に加え、建築資材や飲食レストランを除いた、いわゆる“コア小売売上高”(コントロール・グループ)は前月比0.2%増と、前月の0.6%増からさらに伸びた。この結果、7月27日発表予定の4-6月期GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費を押し上げる見通し。

 市場では小売売上高の伸びが5月CPI(消費者物価指数)の前月比0.1%上昇を上回ったことから、金利上昇や高インフレという厳しい経済環境でも消費金額が増加しており、消費需要が依然強いと見ている。雇用市場がタイトで、所得の増加が続いている限り、個人消費は縮小することはなく、高止まりする可能性があると見ている。

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ