来週の日本株の読み筋=海外勢の継続買い期待も目先一服の可能性

株式

2023/6/16 17:30

 来週(19-23日)の東京株式市場は、海外投資家の継続買い期待は続くものの、直近までの主力大型株の上昇スピードが速かっただけに、目先一服の可能性が残る。

 13-14日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)、15日のECB(欧州中央銀行)理事会、そして15-16日に開かれた日銀の金融政策決定会合の結果は、いずれも事前の想定通りで、市場で大きな混乱を招くことなく重要イベントを通過した。懸念材料の中国に関しても、政府の大型景気刺激策や金融緩和の観測が不安を和らげつつある。

 こうした状況は、日本株にとっても一定の下支え要素として意識されるが、短期的には外国人買いのペースダウンや利益確定売りの増加にも備える必要があろう。企業の業績予想の増額を待たずに株価が上昇するケースが多いため、日本株のバリュエーションは過去のレンジ上限を大きく上回るレベルまで切り上がっている。日経平均採用のPBR(株価純資産倍率)1倍割れ銘柄数も着実に減っている。

 7月下旬からは4-6月決算発表シーズンを迎えるが、中国依存度の大きい企業は収益が伸び悩む可能性も指摘される。それにより海外勢の日本株選好が一時的に鈍り、中国や米国などに資金が振り向けられる展開も見込まれる。

 スケジュール面では、国内で21日に5月訪日外客数、23日に5月CPI(消費者物価指数)が発表される。海外では20日に米5月住宅着工件数、23日に米国とユーロ圏の6月PMI(購買担当者指数)が出る。また、米国でパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の下院と上院での議会証言(各21日、22日)が予定され、22日には米ワシントンDCでバイデン米大統領とインドのモディ首相が会談する。

提供:ウエルスアドバイザー社

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