<新興国eye>前週のブラジル株、中国の金融緩和や米利上げ休止などを受け8週続伸=BRICs市況

新興国

2023/6/19 9:11

 前週(12-16日日)のブラジル株式市場は16日のボベスパ指数が前日比0.39%安の11万8758.4、週間ベースでは9日終値比1.49%高と、8週続伸した。

 週明け12日は指数が7営業日続伸。翌13日は反落。14日は反発、15日も続伸した。

 週前半は、ブラジル中銀が発表した経済週報「フォーカス・ブルティン」で、23年のインフレ見通しが前週予想の5.69%上昇から5.42%上昇に4週連続で引き下げられたことが好感され、買いが優勢となった。ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合を控え、積極的な買いは抑えられた。その後は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。個別銘柄では国営石油大手ペトロブラスが売られ、下げを主導した。

 週後半はFRBが予想通り、金利を据え置き、利上げサイクルを停止したことが素直に好感され、買いが優勢となった。また、米信用格付け大手S&Pグローバル・レーティングスがブラジルのソブリン債格付け見通しを「安定的」から格付けを引き上げ方向で見直す可能性がある「ポジティブ」に19年以来、3年ぶりに変更したことも支援材料となった。その後は、ブラジルのソブリン債格付け見通しの引き上げを受け、国内景気の回復期待が強まったことや、中国人民銀行(中銀)が1年物MLF金利を2.75%から2.65%に、22年8月以来10カ月ぶりに引き下げるなど一連の金融緩和策が好感され、買いが強まった。

 週末16日は小反落。相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。ただ、GDP伸び率の先行指標となっている4月のIBC―Br(経済活動指数)が前月比0.56%上昇と、前月(3月)の同0.14%低下から上昇に転じたことが好感されたため、下げは限定的となった。

 今週(19-23日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策、ブラジル中銀の金融政策決定会合(21日)も注目される。主な経済指標の発表予定はない。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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