来週の日本株の読み筋=月末リバランス売り警戒も押し目買いに期待

国内市況

株式

2023/6/23 16:38

 来週(26-30日)の東京株式市場は、年金などの月末リバランス(資産の再配分)売りが警戒される一方、調整を狙って買い遅れた向きの押し目買いが期待される。

 国内最大の年金資金であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は保有する金融資産に占める日本株の比率の目安を25%としており、直近までの株価上昇によってオーバーした分を処分する必要がある。大和証券では日経平均が高値を形成する過程にあった14日時点で、GPIFの日本株ウエートが27.4%に高まっていたと推計(16日付リポート)。

 国内年金は外国人とは対照的に売り越しを続けてきたものの、その余地はGPIFに国家公務員共済連合会などの3共済を合わせて依然「3.7兆円かそれ以上」だと指摘している。米国など海外の年金も同様の調整に動いている可能性があり、特に6月末に大規模なリバランスが生じるとみられている。

 ただ、これまでの急激な上昇に取り残されてきた投資家は少なくない。リオープン(経済活動再開)に加え、企業のガバナンス改革が進むなど、日本株を取り巻くファンダメンタルズは変わっていない。今後も年金の売りが上値の重荷として意識される一方、円安も輸出企業の業績に有利に働く中で下値の買いニーズは強いと考えられる。

 スケジュール面では、国内で26日に日銀会合(6月15、16日開催)の「主な意見」、30日に5月有効求人倍率と失業率、6月東京都区部CPI(消費者物価指数)が発表される。米国では27日に6月CB消費者信頼感指数、29日に1-3月期GDP(国内総生産)確定値が控える。このほか、中国で30日に6月製造業PMI(購買担当者指数)などが発表される。

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ