<新興国eye>トルコ6月経済信頼感指数、サービス・小売りが改善、建設は悪化―6月設備稼働率は上昇

新興国

2023/6/28 8:51

 トルコ統計局が先週(21日)発表したサービス業と小売業、建設業の経済状況を示す6月セクター別経済信頼感指数(季節調整後)は、サービス業の全体指数が前月比0.6%上昇の118.1となり、前月(5月)の同0.6%低下から上昇(改善)に転じ、22年12月(120.1)以来の高水準となった。

 サービス業のサブ指数は、過去3カ月間の景況感(遅行指数)が前月比0.6%上昇(前月は0.8%上昇)の116.4と、2カ月連続で改善(上昇)したが、過去3カ月間の需要(遅行指数)は同0.7%低下(同1.2%上昇)の117.5と、3カ月ぶりに悪化(低下)した。ただ、今後3カ月間の需要見通し(先行指数)は同1.9%上昇(同3.6%低下)の120.3と、上昇に転じた。

 小売業も同0.9%上昇(同0.4%上昇)の117.7と、2カ月連続で改善、2月(123.1)以来の高水準となった。サブ指数のうち、過去3カ月間の販売活動は同0.6%低下(同0.2%上昇)の127.2と、悪化したが、今後3カ月間の販売見通しは同2.0%上昇(同3.0%上昇)の127.7と、3カ月連続で改善。商品在庫も同1.6%上昇(同2.4%低下)の98.4となり、在庫過剰感が緩和した。在庫指数の「上昇」は在庫減、反対に指数の「低下」は在庫増を示す。

 対照的に、建設業は同3.5%低下(同4.3%上昇)の88.9と、悪化、4月(88.4)以来の低水準となった。サブ指数の受注残も同4.7%低下(同2.9%上昇)の83.2と、悪化。今後3カ月間の雇用見通しも同2.4%低下(同5.5%上昇)の94.7と、悪化に転じた。

 経済信頼感指数はゼロから200までの間で算出され、判断の分かれ目は100。100を超えると「楽観的な見通し」、100を下回ると「悲観的な見通し」を示す。21年1月統計から指数の算定基準(調査対象など)が変更された。

 また、トルコ中銀が同日発表した6月の製造業設備稼働率(季節調整前)は76.8%と、前月(5月)の76.0%から0.8ポイント上昇。コロナ禍前の20年1月の75.5%を上回った。コロナ禍が最も厳しかった同4月は61.6%と、09年4月の61.2%以来11年ぶりの低水準に落ち込んでいる。

 設備稼働率のうち、最も高かったのは投資財の79.2%(前月は78.4%)で、前月を上回った。中間財は76.2%(同75.5%)、耐久財は74.6%(同72.4%)、消費財は74.0%(同73.2%)、非耐久財は73.9%(同73.3%)と、いずれも前月を上回った。

 季節調整後の製造業設備稼働率も6月は76.6%となり、前月(76.3%)を上回った。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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