<新興国eye>前週のロシアRTS指数、ワグネルの反乱やルーブル安を受け続落=BRICs市況

新興国

2023/7/3 8:57

 前週(6月26-30日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の30日終値が前日比2.37%安の982.94、前週比では23日終値比5.5%安と、続落した。

 週明け26日は指数が3営業日続落。翌27日は反発した。28日は反落、29日も続落した。

 週前半は、前週末(23日)にロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン氏が起こしたプーチン政権に対する武装反乱事件や、海外株安となったことが嫌気され、売りが優勢となった。個別銘柄では送配電大手ロセッティが配当見送りの発表後、急落、下げを主導。その後は、ワグネル事件をめぐる国内の政治状況が改善したことを受け、買い戻しが強まった。農業関連大手ルスアグロ(Rusargo)がサラダ油やマヨネーズで大きなシェアを持つ食品大手NMGKの経営支配権を目指しているとの観測で買われ、上げをけん引。ただ、ブレント原油先物が1バレル当たり73ドルに後退、ルーブル安となったため、上値は重くなった。

 週後半は、ルーブル安となったことが嫌気され、売りが優勢となった。個別銘柄では通信大手モバイル・テレシステムズが配当見送りで売られ、下げを主導。その後はルーブル安の進行に歯止めがかからず、売りが一段と強まる展開。また、政府が富裕層への所得税増税を検討していることや、ロシア中銀が次回7月会合で利上げを再開するとの観測も売り材料となった。鉄鋼大手マグニトグルスクや携帯電話サービス大手モバイル・テレシステムズ(MTS)が売られ、下げを主導した。

 週末30日は3日続落。優良株を中心に利益確定売りが強まった。ただ、海外市場が堅調だったことや、原油価格が75ドルに回復したため、下げは限定的となった。

 今週(3-7日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える5日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や6日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は3日のロシア6月製造業PMI(購買担当者景気指数)や5日の1-3月期GDP伸び率とロシア6月サービス業PMIなど。指数は930-1020の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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