米6月雇用統計、非農業部門雇用者数は20.9万人増―市場予想下回る

経済

2023/7/10 8:40

<チェックポイント>

●4月、5月分は下方改定

●失業率は3.6%に低下、平均時給は市場予想上回る

●市場、7月FOMCでの利上げ織り込むも、9月以降は不透明と

 米労働省が7日に発表した6月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比20万9000人増と、市場予想の平均値である23万人増を大きく下回った。また、4月分は29.4万人増から21.7万人増に、5月分は33.9万人増から30.6万人増にそれぞれ下方改定された。

 失業率は3.6%(5月は3.7%)に低下し、市場予想と一致。平均時給は前月比0.4%増の33.58ドルとなり、市場予想の0.3%増を上回った。労働時間は34.4時間(前月は34.3時間)だった。労働市場への参加の程度を示す労働者の市場参加率は62.6%、FRBが重視している27週間以上の長期失業者数の割合は18.5%だった。

 6月雇用統計のセクター別の雇用者数は、製造業が前月比7000人増(5月は3000人減)と増加に転じたが、サービス業は前月比12万人増と、5月の23万6000人増から伸びが半減した。小売業、運輸・倉庫業が減少に転じ、レジャー・接客業などは伸びが鈍化した。

 部門別では、民間部門が前月比14万9000人増(5月は25万9000人増)、政府部門は同6万人増(5月は4万7000人増)だった。

 失業率の低下や平均時給の伸びを受け、市場では労働需給の引き締まりが依然強く、賃金インフレ圧力が高いと見ている。需要が弱まると従業員の勤務時間が削減されるが、反対に増えており、景気は堅調を維持、インフレ懸念となる。

 今回の雇用統計を受けても、7月25-26日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25ポイントの利上げに踏み切るとの市場の見方は変わっていない。非農業部門雇用者数の伸びが予想を下回ったことから、9月以降については不透明感が強まっている。

提供:ウエルスアドバイザー社

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