<新興国eye>前週のロシア株、海外株安やルーブル安、企業の配当見送りに3週続落=BRICs市況

新興国

2023/7/10 9:05

 前週(3-7日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の7日終値が前日比0.53%高の976.08、前週比では6月30日終値比0.7%安と、3週続落した。

 週明け3日は指数が反発した。翌4日は反落、5日も続落した。6日は反発。

 週前半は、ブレント原油先物が1バレル当たり76ドルに上昇したことや、ルーブル高を好感、買いが優勢となった。また、イエレン米財務長官の訪中報道を受け、アジア市場が堅調となったことも支援材料となった。その後は、ルーブル安となったことが嫌気され、売りが強まった。個別銘柄では海運大手ソブコムフロットが配当見送りで売られ、下げを主導。ただ、原油価格が76ドルを超えたため、下げは限定的となった。サウジアラビアが自主減産を8月末まで延長したことが背景。

 週後半は、ルーブル安が進行、売りが一段と強まった。また、これまでの相場上昇で高値警戒感が強まり、一部の銘柄で利食い売りが強まった。欧米株の軟調を受け、アジア市場も下落したことも地合いを悪化させた。ただ、原油価格が76.5ドルを超えたため、下げ渋った。その後は、原油価格が76ドルを割り込んだことや、FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC議事録が公表され、追加利上げ観測が強まったため、売りが先行した。ただ、ルーブル相場が持ち直したため、買いが優勢となった。天然ガス生産大手ノバテクがルーブル高を受けて上昇、上げをけん引した。

 週末7日は続伸。原油価格が77ドル超に回復、ルーブル相場も堅調となったことを好感、買いが一段と強まった。

 今週(10-14日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える11日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や12日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は12日の6月CPI(消費者物価指数)など。指数は940-1010の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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