米6月コアCPI、前月比0.2%上昇―市場予想下回る

経済

2023/7/13 9:21

<チェックポイント>

●コア指数、全体指数いずれも市場予想より弱い結果に

●前月比では、輸送サービスや中古車が鈍化

●市場、7月の利上げ織り込むも9月以降は据え置きを予想

 米労働省が12日に発表した6月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.2%上昇と、5月の0.4%上昇から減速し、市場予想の平均値である0.3%上昇を下回った。前年比も4.8%上昇と3カ月連続で伸びが減速し、市場予想の5.0%上昇を下回った。

 また、エネルギーと食品を含めた全体指数は、前月比0.2%上昇と、5月の0.1%上昇から伸びがやや加速したものの、市場予想の0.3%上昇を下回り、前年比は3.1%上昇と、5月の4.0%上昇から減速し、市場予想の3.1%上昇をやや下回った。

 カテゴリー別の前月比は、輸送サービスのうち、航空運賃が8.1%低下と3カ月連続で減速、中古車は0.5%低下に転じた。また、CPIの構成ウエートの約3分の1を占める、家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)が0.4%上昇と、5月の0.6%上昇から減速した。

 エネルギー全体の前月比は0.6%上昇と、5月の3.6%低下から上昇に転じた。ガソリンが1.0%上昇(5月は5.6%低下)となった。暖房用の重油は0.4%低下と、5月の7.7%低下から下げ幅は鈍化した。電気料金は0.9%上昇と、4カ月ぶりに上昇した。

 一方、食品は0.1%上昇と、5月の0.2%上昇から減速した。食品のうち、レストランなどで提供された外食価格が0.4%上昇(5月は0.5%上昇)に減速、自宅調理用の食品も横ばいと、5月の0.1%上昇から減速した。

 前年比では、シェルター価格が7.8%上昇と6カ月ぶりの低い伸びとなり、全体を押し下げた。航空運賃も18.9%低下と前月に続いて大きく減速。航空運賃を含めた輸送サービス全体では8.2%上昇と、5月の10.2%上昇から減速した。

 食品は5.7%上昇と、5月の6.7%上昇を下回った。エネルギーは16.7%低下と4カ月連続で下落。ガソリン、電力、都市ガスが急減速した。

 米6月CPIを受けても、市場は7月25-26日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加利上げを予想している。ただ、9月会合では据え置きを予想している。

提供:ウエルスアドバイザー社

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