<新興国eye>前週の上海総合指数、デフレ懸念広がる中、追加景気刺激策期待を受け反発=BRICs市況

新興国

2023/7/18 9:04

 前週(10-14日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで反発。14日は3237.7(7日終値比1.29%高)だった。

 週明け10日は指数が上昇、翌11日も続伸した。12日は反落。13日は急反発した。

 週前半は、前週の相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。また、最近の経済指標の悪化を受け、当局による追加景気刺激策への期待感が広がり、相場を押し上げた。ただ、6月CPI(消費者物価指数)は前年比横ばいと、市場予想(0.2%上昇)を下回り、デフレ懸念と景気懸念が同時に広がったため、上値は重くなった。その後は、買いが強まった。中国人民銀行(中銀)が不動産業界向け支援策の一部を24年末まで延長したことが好感された。個別銘柄では電気自動車大手のニーオ(蔚来汽車)やリ・オート(理想汽車)とシャオペン(小鵬汽車)が急伸、上げを主導。6月新車販売が前年比4.8%増と、好調だったことが背景。

 週後半は、売りが優勢となった。週末から翌週にかけ、4-6月期GDP伸び率など重要指標の発表を控え、慎重な取引となった。ただ、国内金融機関の6月の新規融資が前月を大幅に上回り、市場予想も上回ったことや、通貨人民元相場が安定したため、下値は限られた。その後は、買いが優勢となった。米6月CPI(消費者物価指数)のコア指数が前年比4.8%上昇と、前月の同5.3%上昇から急低下、米追加利上げ懸念が緩和したことや、人民元高となったことが好感された。6月輸出は前年比12.4%減と、市場予想(9.5%減)を上回る大幅な落ち込みとなり、景気不安が広がったが、その一方で、追加景気刺激策への期待感が強まった。

 週末14日は小幅続伸。当局による追加景気刺激策への期待感が支援材料。人民銀の鄒瀾・金融政策局長が景気支援のため、銀行の預金準備率や中期貸出制度などの金融政策手段を活用すると述べたことが好感された。

 今週(17-21日)の株式市場は台湾情勢やハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は17日の4-6月期GDP伸び率と6月鉱工業生産、6月小売売上高、6月失業率、1-6月都市部固定資産投資など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ