<新興国eye>トルコ中銀、きょうの会合で5ポイントの利上げ見通し―市場予想

新興国

2023/7/20 10:53

 市場予想によると、トルコ中央銀行は20日の金融政策決定会合で、インフレ抑制のため、主要政策金利である1週間物レポ金利を5.0ポイント引き上げ、20.0%(予想レンジは17.0-21.5%)とする見通し。地元紙デイリー・サバ(電子版)などが18日、伝えた。

 中銀は6月22日、ハフィゼ・ガイ・エルカン氏が新総裁に就任して初めての金融政策決定会合を開き、主要政策金利である1週間物レポ金利に8.5%から15.0%一気に6.5ポイント引き上げ、正統派の金融政策に転換した。利上げは21年3月以来2年3カ月ぶりとなり、15.0%の金利水準は18年6月(16.5%)以来、5年ぶりの高水準となっている。ただ、市場は6月会合では最大で40.0%、最低でも14.0%、平均20.0%超への利上げを予想していたため、今後の利上げペースが小さくなるとの懸念が広がっている。

 中銀が前週末(14日)発表した市場参加者による最新の7月経済予測調査(月報)によると、7月末時点の政策金利の見通しは前月(6月)予想の17.56%から19.17%に引き上げられた。また、3カ月後の見通しも21.65%から23.96%に、1年後の見通しも19.3%から21.48%にいずれも引き上げられている。

 トルコのインフレ率は、6月CPI(消費者物価指数、03年=100)が前年比38.21%上昇と、前月(5月)の同39.59%上昇を下回り、22年10月の同85.51%上昇をピークに8カ月連続で減速。水準的にも21年12月(36.08%上昇)以来の低い伸びとなっている。

 しかし、市場では今後、インフレ率は6月統計を底に7月から伸びが加速すると予想している。金融引き締めがどの程度進むかは不透明でリラ安が進んでいることや、エルドアン大統領が今後、選挙公約の巨額の財政支出を行うためだ。中銀の7月経済予測調査によると、23年末時点のインフレ見通しは前月予想の38.55%上昇から43.82%上昇に、1年後の見通しも30.65%上昇から33.21%上昇に引き上げられている。

 ちなみに、中銀が5月4日に発表した最新の四半期インフレ報告書では23年末時点の見通しは22.3%上昇、24年末時点は8.8%上昇、25年末時点は5.0%上昇を予想、前回予想(1月26日)を据え置いている。次回の四半期インフレ報告書は7月27日に発表予定。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ