<新興国eye>前週のインド株、米利上げ終了近いとの思惑や景気回復期待を受け4週続伸=BRICs市況

新興国

2023/7/24 8:58

 前週(17-21日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の21日終値は前日比1.31%安の6万6684.26、週間ベースでは14日終値比0.90%高と、4週続伸した。

 週明け17日は指数が上昇、20日まで6営業日続伸した。

 週前半は、5月のクレジットカード消費額が1兆4000億ルピーと、過去最高を記録したことが好感され、景気回復期待が強まったことや、前週発表された米6月CPI(消費者物価指数)の伸びが鈍化したことを受け、米利上げサイクルの終了が近いとの見方が広がり、買いが優勢となった。ただ、中国の4-6月期GDP伸び率が前年比6.3%増と、市場予想(6.9-7.3%増)を下回ったため、上値は重くなった。その後は、利食い売りをこなし、買いが優勢となった。インド商工会議所連合会(FICCI)の最新調査で4-6月期企業景況感指数が前期の55から57に改善したことや、シンガポールの政府系投資機関テマセクが今後3年間でインドに100億ドルを投資する計画を発表したことが支援材料となった。

 週後半は、主要企業の4-6月期決算発表を控え、買いが優勢となり、一時、過去最高値を更新した。その後は、上昇勢いは衰えず、前日に続き、一時、過去最高を更新。コタック・マヒンドラ銀行などの金融株やサンファーマなどの医薬品株、インド最大のたばこメーカーITCなどの消費財セクターが買われたほか、複合企業大手リライアンス・インダストリーズも傘下のジオ・ファイナンシャル・サービシズを分社化、IPO(新規株式公開)を実施したことが好感され、上昇、上げをけん引した。

 週末21日は反落。ソフトウエア輸出大手インフォシスが売上高の見通しを引き下げたことが嫌気され、急落、ITセクター全体にも売りが広がった。また、前日値を上げたリライアンス・インダストリーズが利食われ、下げを主導した。

 今週(24-28日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内のインフレ動向、主要企業ニュース、さらにはFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合(26日)も注目される。主な経済指標の発表予定はない。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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