<新興国eye>前週のロシア株、原油高や欧米中銀の利上げ早期終了観測などで反発=BRICs市況

新興国

2023/7/31 9:05

 前週(24-28日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の28日終値が前日比0.52%安の1033.67、前週比では21日終値比2.1%高と、反発した。

 週明け24日は指数が上昇。27日まで4日続伸した。

 週前半は、ブレント原油先物が1バレル当たり82.7ドルに上昇したことや、米株市場の上昇、重要な貿易相手国である中国の景気刺激策への期待感が高まり、買いが優勢となった。個別銘柄ではイーコマース(電子商取引)最大手オゾンとインターネットサービス最大手ヤンデックスが急伸、上げをけん引した。その後は、海外株高となったことや、原油価格が83ドル超に上昇したことが好感され、買いが一段と強まった。

 週後半は、値固めの展開となった。FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合が間近に迫り、積極的な買いが手控えられたことに加え、原油価格が83ドルを割り込んだことが背景。その後はFRBとECB(欧州中央銀行)の金融政策決定会合でいずれも小幅利上げが決まったが、利上げサイクルの早期終了観測が強まり、買いが優勢となった。個別銘柄では国営金融大手VTB(対外貿易銀行)の四半期決算が好調となり、通期業績見通しを引き上げたことが好感され、急伸、上げを主導した。

 週末28日は反落。これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。

 今週(7月31日-8月4日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える1日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や2日の米EIA週間石油在庫統計、OPEC(石油輸出国機構)プラス会合(4日)も注目される。主な経済発表の予定は1日の6月GDP伸び率とロシア製造業PMI(購買担当者景気指数)、3日の小売売上高と6月失業率、ロシア非製造業PMIなど。指数は1020-1080の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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