RBA、政策金利を据え置き―市場予想通り

経済

2023/8/1 15:45

<チェックポイント>

●ロウ総裁、これまでの利上げが家計に悪影響を与えていると指摘

●物価目標の範囲内に戻りには時間がかかるとの認識示す

●市場、据え置きは一時的で10月以降に再利上げの見方

 豪準備銀行(RBA、中銀)は1日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)の誘導目標を4.10%に据え置くことを決めた。据え置きは2会合連続。

 市中銀行のRBAへの預入残高である為替決済(ES)バランス(銀行間決済口座)に適用される公定レートも4.00%に据え置いた。

 市場は、豪4-6月期CPI(消費者物価指数)が1-3月期を下回ったこと、豪6月小売売上高が前月比で減少したことから、政策金利を据え置くとの見方が大勢だったが、長期化しているインフレの高止まりや住宅価格の急騰を抑えるため、追加利上げを決めるとの予想もあった。

 据え置き決定について、ロウ総裁は前回同様、これまでの利上げで経済の需要と供給の持続可能なバランスが確立されているとの見方を示し、今後もそのバランスは続くとしたが、これまでの利上げが家計に悪影響を与えていると指摘。一方、インフレ率は低下傾向にあるものの、依然として高い水準にあると懸念し、物価目標の範囲内に戻るには時間がかるとの認識を示している。

 今後の金融政策については、経済とインフレの動向次第ではあるものの、インフレ率を抑えるために金融政策のさらなる引き締めが必要になる可能性があるとし、利上げサイクルの再開の道を開いたままにしている。

 市場では、総裁がインフレ抑制に強い意思を示していることを受け、今回の据え置き決定も前回同様、一時的なものとみている。ただ、2会合連続の据え置きで利上げサイクルの終了は近づいたともみており、10-12月期の最終利上げを予想している。

 次回会合は9月5日に開かれる予定。

提供:ウエルスアドバイザー社

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