<新興国eye>前週のロシア株、中銀の緊急利上げや通貨ルーブル高を受け3週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2023/8/21 9:01

 前週(14-18日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の18日終値が前日比1.76%高の1047.03、前週比では11日終値比4.60%高と、3週ぶりに反発した。

 週明け14日は指数が上昇。17日まで4日続伸した。

 週前半は、通貨ルーブル高となったことが好感され、買いが優勢となった。ロシア中銀が臨時会合を15日に開くと発表したことを受け、市場でルーブル安阻止のための利上げ観測が強まったことが背景。個別銘柄では食品加工大手チェルキゾボが配当実施の発表で買われ、上げをけん引。その後は、方向感に欠ける中、小幅上昇。中銀が政策金利を3.50ポイント引き上げ、市場予想(1.50ポイント)を上回ったものの、ルーブル安が進んだことが嫌気され、上値が重くなった。ブレント原油先物が下落したものの、依然、高値水準の1バレル当たり85ドル近辺で推移したことが支援材料。

 週後半は、まちまちの展開となる中、小幅上昇。引けにかけ、ルーブル高となったことが買い材料となった。財務省がルーブル安阻止のため、輸出企業に外貨建て利益の80%売却や海外での配当金の支払い禁止などの資本規制を発表したことが背景。ただ、海外株安となったことや、中銀の大幅利上げを受け、国内の投資資金が株式市場から債券市場にシフトしたため、株価は伸び悩んだ。その後は欧米市場が堅調となったことや、ルーブル高、原油高、企業の配当実施のニュースが好感され、買いが優勢となった。、

 週末18日は5日続伸。引き続きルーブル高が維持されたことが好感され、買いが広がった。原油価格も小幅上昇し、支援材料となった。ただ、中国の経済指標の悪化や、米追加利上げ観測が強まったため、原油価格の上値は抑えられた。

 今週(21-25日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える22日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や23日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は23日の7月鉱工業生産など。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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