来週の日本株の読み筋=引き続き神経質な展開か、米雇用指標に警戒
来週(8月28日-9月1日)の東京株式市場は、引き続き神経質な展開か。25日の日経平均株価は5日ぶりに大幅反落し、3万1624円(前日比662円安)で引け、今年2番目の下げ幅となった。24日の米国株式市場では、週間の新規失業保険申請件数が2週連続で減少し、堅調な労働者需要から金融引き締め長期化への警戒感が強まり、主要株価指数が大幅に下落した。日本時間の同日午後11時すぎに始まるパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」での講演を前に、資金を引き揚げる動きが加速した。来週は雇用系の指標が複数発表されるため、不安定な相場につながる可能性もある。
パウエル議長の講演内容については、自国の金融政策の方向性を示すとみられている。また、市場ではFRBが「Rスター」(自然利子率、いわゆる中立金利)の過小評価を見直す可能性が指摘され、パウエル議長がそれに言及するかが注目されている。仮にRスターが切り上がれば、金融緩和への転換が遠のくことになり、米国債券や株式市場には逆風が吹く。むろん、講演がそれほどタカ派的な内容にならなければ、リスク回避の巻き戻しが起きるだろう。しかし、その後も9月1日発表の米8月雇用統計やその関連指標(8月29日の7月JOLTS<労働動態調査>求人件数、30日のADP<オートマティック・データ・プロセッシング>雇用統計)が控え、市場の警戒感は根強そうだ。
スケージュール面では、国内で29日に7月失業率・有効求人倍率、9月1日に4-6月期法人企業統計などがある。海外では、前出の米雇用系指標のほか、31日に中国8月のコンポジットPMI(購買担当者景気指数)、製造業PMI、非製造業PMI、米7月個人所得・個人支出、1日に中国8月Caixin製造業PMIが予定されている。
提供:ウエルスアドバイザー社
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