<新興国eye>前週のロシア株、ワグネル創設者暗殺の憶測報道や原油安に4週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2023/8/28 9:03

 前週(21-25日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の25日終値が前日比0.03%高の1043.84、前週比では18日終値比0.3%安と、4週ぶりに反落した。

 週明け21日は指数が上昇。翌22日まで7営業日続伸した。23日は反落、24日も続落した。

 週前半は、ブレント原油先物が1バレル当たり85ドルを超えたことや、通貨ルーブル高が好感され、買いが優勢となった。サウジアラビアとロシアが原油減産を決めたことが原油高の背景。その後は、石油大手ルクオイルが急伸、上げをけん引。非居住者から授権資本の最大25%を買収する計画が好感された。ただ、原油安、ルーブル安となったため、上値は抑えられた。

 週後半は、原油価格が83ドルに低下したことや、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。その後は、売りが一段と強まった。原油安の進行に加え、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン氏がジェット機の墜落で死亡したことを受け、暗殺の憶測が広がり、国内の政治リスクが高まったことが背景。

 週末25日は小反発。原油価格が84ドルに回復したことが好感され、買いが優勢となった。ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長がワイオミング州ジャクソンホールの講演で、年内の追加利上げの可能性を示唆したため、上値は抑えられた。

 今週(8月28日-9月1日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える29日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や30日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は30日の7月失業率と7月小売売上高、1日の8月ロシア製造業PMI(購買担当者景気指数)など。

<関連銘柄>

RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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