来週の東京外国為替市場見通し=米8月雇用統計に注目

国内市況

為替

2023/9/1 16:32

予想レンジ:1ドル=142円00銭-147円40銭

 8月28日-31日のドル・円は下落した。週初28日は、前週末25日のジャクソンホールでのパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長による講演内容が、既定路線だったことでドル・円は強含みの推移。29日は、米10年債利回りが上昇する中、ドル・円は一時10カ月ぶりの高値を付けたが、米7月雇用動態調査(JOLTS)における求人件数や、米8月消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことで急落。30日は8月ADP(オートマティック・データ・プロセッシング)雇用統計で民間雇用者数が予想を下回る中、ドル・円は続落して始まるが、米10年債利回りの上昇と共に反発。31日は、週間失業保険申請件数が予想を下回った一方、7月個人消費支出が予想を上回ったことでドル・円は上昇する場面もあったが、米10年債利回りの低下と共に続落した。

 1日の東京時間は、一時はドル買いが強まる場面もあったが、米8月雇用統計の発表を前に上値は限られた。雇用統計の市場予想は、非農業部門雇用者数や平均時給の伸びが前月から鈍化するほか、失業率は横ばい見通し。米労働需給の緩和が示されれば9月FOMC(米連邦公開市場委員会)における利上げ見送り観測を後押しする。

 9月4-8日の週は、5日に7月耐久財受注、6日に7月貿易収支、8月ISM(米供給管理協会)非製造業景況指数などの発表がある。インフレ低下と堅調な消費によるソフトランディングへの期待を維持できる内容かどうか引き続き注目が怠れない。

 ドル・円は、目先は8月29日の高値147円40銭近辺が上値メド。下値は75日移動平均線(1日時点で142円20銭近辺)を意識して142円ちょうど。

提供:ウエルスアドバイザー社

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