サイジニア、CX改善サービスに注力し利益面の成長加速:山崎徳之社長に聞く

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2023/9/5 8:30

 サイジニア(6031)は利益率の高いCX(顧客体験)改善サービスに注力することで、粗利益率向上に取り組み、前6月期は減収ながら増益となった。前期に従来の主力事業だったインターネット広告サービスを譲渡し、今後はCX改善サービスを中心に長期的な成長を目指す。同社の現状と今後について山崎徳之社長に聞いた。

 ――前期決算は連結売上高24億3700万円(前々期比6.1%減)、営業利益3億8000万円(同4.7%増)でした。

 「2021年7月に経営統合したZETAのCX改善サービスが好調だった半面、子会社デクワスのネット広告サービスは苦戦しました。今後、適用される予定のサードパーティーCookie規制への不安などがネット広告サービス苦戦の背景にあったと思います。以前からCX改善サービスの拡大、ネット広告サービスの伸び悩みは予想していましたが、どちらも想定以上で、ネット広告サービスの落ち込みをCX改善サービスの拡大でカバーできました。それ以上に、経営テーマに掲げた粗利益率の向上も、目標を大きく超えて達成しています。今後は利益率の高いCX改善サービスに注力し、より一層の利益拡大を目指すつもりで、7月にネット広告サービスをジーニー(6562)に譲渡しました。なお、ZETAとジーニーはリテールメディア(単なる商取引だけではなくメディアとして魅力的なEC<=Eコマース、電子商取引>サイト)広告領域において業務提携しており、今後、高成長の期待できるリテールメディア広告領域に注力していく計画もあります」

 ――御社のCX改善サービスについて教えてください。

 「CX改善サービスでは、顧客であるECの売上を増加に導く各種マーケティングソリューションを展開しています。EC商品検索エンジン・サイト内検索『ZETA SEARCH』が順調に伸び、レビュー・口コミ・Q&Aエンジン『ZETA VOICE』、ハッシュタグ活用エンジン『ZETA HASHTAG』などとのシリーズ間のクロスセル、アップセルも加速し、売上は拡大中です。さらに、CX改善サービスはストック型ビジネスで、ライセンス増加に伴い収益が積み上がっていくことから、利益率は高くなる傾向にあります」

 ――今期業績予想は連結売上高18億円(前期比26.1%減)、営業利益4億7000万円(同23.4%増)を見込んでいます。

 「前期、ネット広告サービスの売上構成比は50%以上でした。それを譲渡したことで売上高は減少する予想ですが、利益率の高いCX改善サービスが成長を続けることで、利益面は大幅に増加するとみています。CX改善サービスを提供するZETAは長期的成長トレンドにあり、今後も当社グループの成長をけん引していくでしょう。ただ、ZETAは例年、第1四半期(7~9月)が先行費用期となって損失を計上するものの、第2四半期(10~12月)以降に着実に利益を計上する傾向があります。そのため、第1四半期決算は損失を計上する可能性がありますが、通期では大幅な増益を見込んでいます」

 ――26年までの中期経営計画を発表しています。

 「26年6月期の売上高26億円、営業利益10億5000万円、営業利益率40.4%(今期予想26.1%)を目標としています。CX改善サービスのさらなる成長とともに、リテールメディア領域にも注力し、成長力強化を図ります。さらに、その先に自社事業として口コミを掲載するメディアサイトを運営し、将来の飛躍を目指す考えもあります。自社で販売しているレビュー・口コミ・Q&Aエンジン『ZETA VOICE』で集まった口コミが既に1000万件(※)を超えているため、それらを活用することで独自のサービス展開を進めていくつもりです」

 ――配当についてはどう考えていますか。

 「ストック型ビジネスモデルのCX改善サービスを主力事業とすることで、安定的な成長が見込めるようになりました。利益率も向上しており、それを背景に前期に初配当5円を実施しました。今後も株主還元は重視し、今期は7.5円に増配する予定で、ゆくゆくは配当性向30%(今期は14.2%の計画)を目標としています」

(※)CX向上に成功する企業の共通点はUGC活用!ZETA導入先のレビュー・Q&A投稿数が1000万件を突破!~アダストリア・ベルーナなど国内大手ECサイトで導入~(2023年8月23日配信のプレスリリース)

https://info.kabushiki.jp/rd/230823_zeta_IR.htm

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