<新興国eye>前週のロシアRTS指数、海外株安や通貨ルーブル安、利食い売りに反落=BRICs市況

新興国

2023/9/11 9:10

 前週(4-8日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の8日終値が前日比1.65%安の1012.4、前週比では1日終値比4.10%安と、反落した。

 週明け4日は指数が上昇。翌5日は反落、7日まで3日続落した。

 週前半は、原油高が好感され、買いが優勢となった。個別銘柄ではアルミ地金生産で世界最大手UCルスアルが急騰、上げをけん引。ブレント原油先物は中国の経済指標の改善を好感、1バレル当たり89ドルに上昇した。その後は、海外株安が嫌気され、利食い売りが広がった。鋼管最大手TMK(パイプ・メタラージカル)が配当見送りで売られ、下げを主導。ただ、原油価格が91ドル超に上昇したため、下げは限定的となった。産油国サウジアラビアとロシアが23年末まで減産延長を決めたことが原油高の背景。

 週後半は、引き続き、利食い売りが強まった。原油価格が90ドルに後退したことや、海外株安、ルーブル安も嫌気された。ロシア中銀は14-22日にルーブル安に歯止めをかけるため、外貨売り・ルーブル買いの市場介入を発表したが、ルーブル安が進んだ。その後は、海外株安が嫌気され、利食い売りが加速。また、追加利上げ観測が広がったことも売り材料となった。個別銘柄では水力発電大手ルスハイドロが急落、下げをけん引。

 週末8日は4日続落。ロシア中銀の金融政策決定会合(15日)を控え、買いが慎重となる中、海外株安が嫌気され、売りが優勢となった。ただ、ルーブルが追加利上げ観測で上昇、原油価格も90ドル超に回復したため、下げは限定的となった。

 今週(11-15日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える12日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や13日の米EIA週間石油在庫統計、東方経済フォーラム(10-13日)、ロシア中銀の金融政策決定会合(15日)も注目される。主な経済発表の予定は11日の7月貿易収支など。指数は980-1150のレンジでの取引が予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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