<新興国eye>前週のロシアRTS指数、米金利高止まり観測や利食い売りを受け急反落=BRICs市況

新興国

2023/9/25 8:54

 前週(18-22日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の22日終値が前日比1.2%高の999.99、前週比では15日終値比2.8%安と、急反落した。

 週明け18日は指数が下落、21日まで4日続落した。

 週前半は、前週までの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。ただ、通貨ルーブル高とブレント原油先物が1バレル当たり95ドルに上昇したため、下げは限定的となった。個別銘柄ではダイヤモンド生産最大手アルロサが下落、下げを主導。EU(欧州連合)が10月、追加対ロ制裁を実施した場合、ロシア産ダイヤモンド輸出が影響を受ける懸念が高まったことが背景。その後は、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合を控える中、一段と利食い売りが強まった。ただ、原油高が相場を下支えした。

 週後半は、FRBの金融政策会合を控え、海外市場がまちまちとなる中、ロシア市場でも慎重な取引となった。ただ、旧ソ連時代にアゼルバイジャンの自治州だったナゴルノ・カラバを巡るアルメニアとアゼルバイジャンの地域紛争が緩和したことや、ルーブル高が相場を支援、下げ幅を縮めた。ルーブル高はロシアのアレクセイ・モイセーエフ財務次官がルーブル安阻止で資本流出規制を検討していると発言したことが背景。その後は、FRBが金利を据え置いたものの、金利高止まりの長期化観測で海外株安となり、ロシア市場でも売りが強まった。ただ、原油高が相場を下支え。

 週末22日は反発。これまでの急激な相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。また、原油価格が93.6ドルに上昇したことも支援材料となった。

 今週(25-29日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える26日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や27日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は27日の8月鉱工業生産と8月小売売上高、8月失業率など。指数は950-1030のレンジでの取引が予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ