【為替本日の注目点】ドル円149円台に乗せる

為替

サーチナ

2023/9/27 10:04

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は東京時間の午後3時過ぎに149円台に載せ、149円18銭まで上昇。ただNYでは長期金利がやや低下する場面もあり、高値は149円10銭止まり。ユーロドルは続落。1.0562まで売られ、前日の安値を下回る。株式市場は3指数が揃って大幅反落。消費者マインドなどの悪化を嫌気し、ダウは388ドル安。債券は引けにかけて買われたが、長期金利はほぼ横ばい。金は続落し原油は反発。

マーケット情報

7月ケース・シラ-住宅価格指数 → 0.138%

7月FHFA住宅価格指数 → 0.8%

8月新築住宅販売件数 → 67.5万件

9月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 103

ドル/円 148.80 ~ 149.10

ユーロ/ドル 1.0562 ~ 1.0609

ユーロ/円 157.31 ~ 157.88

NYダウ -388.00 → 33,618.88ドル

GOLD -16.80 → 1,919.80ドル

WTI +0.71 → 90.39ドル

米10年国債 +0.002 → 4.536%

本日の注目イベント

豪 豪8月消費者物価指数

日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(7月27日、28日分)

日 7月景気先行指数(CI)(改定値)

日 7月景気一致指数(CI)(改定値)

独 独10月GFK消費者信頼調査

米 8月耐久財受注

米 共和党大統領候補者の第2回討論会(カリフォルニア州)

 ドル円は、昨日の東京株式市場が引けた直後の午後3時過ぎにスルスルと上昇し、149円02銭近くまで買われ、149円台を示現しました。一旦は148円台に押し戻されましたが、その後再び上昇に転じ149円18銭辺りまで買われています。この日、鈴木財務大臣はいつもながらの「定型コメント」を述べ、「高い緊張感を持って見ている。過度の変動に対して、あらゆる選択肢を排除せず適切に対応していく」と語っていました。ドル円はそのコメントをあざ笑うかのように円売りが「緩やかに、しかし確実に」進んでいます。ただ、NYではドルの上値は限られ、149円10銭止まりでしたが、149円台に入ったことで市場介入の有無を確かめながらドルを買っている印象です。結局昨日も149円台載せまでドル高が進みましたが一気に高値を追うこともなく、これまでと同じように極めて緩やかな上昇でした。まるで、「このスピードなら介入できまい」と、金融当局の裏をかいているような動きです。このような動きが続き150円台まで上昇するような展開であれば、実際、なかなか介入に踏み切れないのではないでしょうか。

 ボウマンFRB理事はFRB主催のオンラインイベントで講演し、「インフレ率が賃金の伸びを上回る中で、賃借人のコスト負担増がFRBによる物価上昇圧力を抑制する行動も重要性を明確にしている」と述べ、「この取り組みは、賃貸住宅の供給増加など賃貸料に影響する他の要因に対処する施策を補完し得る」と指摘しています。また、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も同連銀のウェブサイトで、「年内に恐らくあと1回、政策金利を0.25ポイント引き上げた後で、FOMCは政策金利をその水準で十分に長く、妥当な時間をかけてインフレ率を目標まで低下させる」と具体的に説明し、「われわれがインフレ対策で達成してきた実際の進展と労働市場の動向を理由に、私は現在、60%の確率でこの結果になると予想している」と、米経済のソフトランディングについて述べています。(ブルームバーグ)

 バイデン大統領は26日、全米自動車労組(UAW)がストライキを実施しているデトロイト郊外にあるGMの工場を訪問し、組合員らの大幅賃金上げ要求を支持することを表明しました。バイデン氏は黒いUAWの帽子をかぶり、手にはメガホンを持ち、「皆さん頑張れ、あなた達は著しい昇給や他の福利厚生を受けるに値するのだから」と述べ、「あなた方は、もらっているサラリーよりも働いている」などと労働者を励ましました。もちろんこれは、2024年大統領選を意識しての行動ですが、急速にガソリン車からEVにシフトしている米自動車業界では今後従事している労働者が削減される可能性が高く、バイデン氏は一方ではEVシフトを推進しながらも、今回は自身の大統領選を優先した格好になっています。27日にはトランプ氏もミシガン州を訪れることになっています。余談ですが、先日ある会合で米国の選挙に詳しい早稲田大学公共政策研究所招聘研究員の渡瀬裕哉氏と話しをする機会があり、その時渡瀬氏はこっそり、「2024年大統領選ではほぼトランプ氏が勝つ」と耳元でささやいていた声が印象的でした。渡瀬氏は、ここ10年程の米選挙では議会選挙も含め、ほぼ全ての予想を的中させているだけに「ギクッ」とする瞬間でした。

 ジリジリとドルが買われ、今朝も149円台前半で推移しています。もはや「口先介入」は何の効果もありません。昨日も述べましたが、150円に載せる前に介入に踏み切るのか、あるいは150円台でも動かず、投資家が安心し切ったところで一気に行動に出るのか、いよいよ佳境に入った感があります。

 本日のドル円は148円~149円80銭程度を予想しますが、当局が行動を起した場合には、本予想は全く意味を持ちません。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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