<新興国eye>トルコ9月経済信頼感指数、サービスが悪化、小売り・建設は改善―9月設備稼働率は上昇

新興国

2023/9/29 8:48

 トルコ統計局が25日発表したサービス業と小売業、建設業の経済状況を示す9月セクター別経済信頼感指数(季節調整後)は、サービス業の全体指数が前月比2.0%低下の113.0と、前月(8月)の同1.7%低下に続き、3カ月連続で低下(悪化)、22年3月(111.3)以来の低水準となった。

 サービス業のサブ指数は、過去3カ月間の景況感(遅行指数)が前月比0.5%低下(前月は1.2%低下)の114.8と、2カ月連続で悪化(低下)した。過去3カ月間の需要(遅行指数)も同1.4%低下(同2.7%低下)の112.2と、4カ月連続で悪化。今後3カ月間の需要見通し(先行指数)も同4.2%低下(同1.2%低下)の111.9と、3カ月連続で悪化した。

 他方、小売業は同3.0%上昇(同0.4%低下)の117.7と、3カ月ぶりに改善、2月(123.1)以来の高水準となった。サブ指数のうち、過去3カ月間の販売活動は同0.5%低下(同3.3%低下)の123.8と、2カ月連続で悪化したが、今後3カ月間の販売見通しは同6.5%上昇(同2.6%上昇)の131.1と、2カ月連続で改善。商品在庫は同3.2%上昇(同0.1%低下)の98.2となり、在庫過剰感が緩和した。在庫指数の「上昇」は在庫減、反対に指数の「低下」は在庫増を示す。

 建設業も同1.0%上昇(同0.7%低下)の88.3と、4カ月ぶりに改善、6月(88.9)以来の高水準となった。サブ指数の受注残は同1.9%低下(同0.2%低下)の81.9と、2カ月連続で悪化したものの、今後3カ月間の雇用見通しは同3.7%上昇(同1.3%低下)の94.8と、4カ月ぶりに改善している。

 経済信頼感指数はゼロから200までの間で算出され、判断の分かれ目は100。100を超えると「楽観的な見通し」、100を下回ると「悲観的な見通し」を示す。21年1月統計から指数の算定基準(調査対象など)が変更された。

 また、トルコ中銀が同日発表した9月の製造業設備稼働率(季節調整前)は77.3%と、前月(8月)の76.1%から1.2ポイント上昇。コロナ禍前の20年1月の75.5%を上回った。コロナ禍が最も厳しかった同4月は61.6%と、09年4月の61.2%以来11年ぶりの低水準に落ち込んでいる。

 設備稼働率のうち、最も高かったのは投資財の78.3%(前月は73.5%)で、前月を大幅に上回った。次いで、中間財が76.2%(同75.9%)、耐久財は73.4%(同73.5%)、消費財は73.3%(同73%)、非耐久財も73.3%(同72.9%)となり、耐久財を除き、いずれも前月を上回った。

 季節調整後(SA)の製造業設備稼働率も9月は76.9%と、前月(75.7%)を上回った。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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