日経平均は603円安と大幅に5日続落、米時間外での金利一段上昇も重し―3万1000円割れ=4日前場

 4日前場の日経平均株価は前日比603円05銭安の3万634円89銭と大幅に5営業日続落。心理的なフシ目となる3万1000円を大きく割り込み、取引時間中では5月25日(安値3万558円14銭)以来の水準となる。

 朝方は、広範囲に売りが先行した。3日の米国株式市場では、強い雇用指標を背景に金融引き締めの長期化が警戒され、長期金利の上昇とともに主要株価指数が大きく下落。この流れを受け、日経平均は下げ幅を拡大した。日本時間4日の米時間外取引での長期金利の一段上昇も重しとなり、前場後半には3万581円61銭(前日比656円33銭安)まで下押しした。その後の戻りは限定され、前引けにかけて安値圏で停滞した。

 日経平均マイナス寄与度では、アドバンテスト<6857.T>の60円強を筆頭に東エレク<8035.T>が58円弱、ファーストリテ<9983.T>が49円弱と続いた。東証業種別株価指数(全33業種)では、輸送用機器、電気・ガス、卸売、鉄鋼など32業種が値下がりし、精密の1業種が値上がりした。東証プライム銘柄の89.4%下落がした。

 東証プライムの出来高は9億1489万株、売買代金は2兆308億円。騰落銘柄数は値上がり171銘柄、値下がり1642銘柄、変わらず22銘柄。

 市場からは「下げがきつい。時間外での米長期金利の上昇基調をにらみ売り仕掛けの動きがあるようだ。ボラティリティー(価格変動性)が上昇し、オプション絡みのヘッジ売りや、追証(追加証拠金)発生による見切り売りなど複合的な売りが下げを拡大させている。雰囲気は悪く、まだ下げの余地があり、落ち着き所を待ちたいところだ」(中堅証券)との声が聞かれた。

 業種別では、日産自<7201.T>、トヨタ<7203.T>、ホンダ<7267.T>、三菱自<7211.T>などの輸送用機器株が下落。東電力HD<9501.T>、関西電力<9503.T>、中部電力<9502.T>などの電気・ガス株も安い。丸紅<8002.T>、伊藤忠<8001.T>、住友商<8053.T>、三菱商<8058.T>などの卸売株や、日本製鉄<5401.T>、神戸鋼<5406.T>、JFEHD<5411.T>などの鉄鋼株も値を下げた。大和証G<8601.T>、野村<8604.T>、マネックスG<8698.T>などの証券商品先物株や、三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、みずほ<8411.T>などの銀行株も売られ、オリックス<8591.T>、クレセゾン<8253.T>、三菱HCキャ<8593.T>などのその他金融株もさえない。

 半面、オリンパス<7733.T>、テルモ<4543.T>なの精密株が引き締まった。

 個別では、イトーキ<7972.T>、Eガディアン<6050.T>、リケンNPR<6209.T>などが値下がり率上位。半面、ケーヨー<8168.T>(監理)、リズム<7769.T>、クスリアオキ<3549.T>などの上げが目立った。

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ