もっと見る

株式新聞

2024年5月4日（土）

image 株式新聞とは お申し込み
お知らせ お申し込み 株式新聞とは

＜新興国ｅｙｅ＞ルーマニア中銀、予想通り金利据え置き―６会合連続

新興国

2023/10/6 8:44

　ルーマニア国立銀行（中銀）は５日の金融政策決定会合で、主要政策金利である１週間物レポ金利を７．００％に据え置くことを決めた。市場の予想通りだった。

　また、中銀は主要政策金利のプラス・マイナス１．００ポイントのレンジの上限としている、市中銀行に資金供給するためのロンバート型貸出金利も８．００％に、下限にあたる資金吸収のための預金金利も６．００％に、いずれも据え置いた。

　中銀が金融システム内の流動性を適切に管理するため、市中銀行が中銀に預ける預金準備率についても、自国通貨建ての預金準備率を８．００％、外国通貨建ての預金準備率も５．００％にそれぞれ据え置いた。

　中銀は急速なインフレ上昇を受け、２１年１０月会合で３年５カ月ぶりに利上げを再開。今年１月会合まで１１会合連続の利上げを実施、利上げ幅は計５．７５ポイントに達したことを受け、１月会合で利上げサイクルを休止している。これで据え置きは６会合連続。金利水準は依然、１０年以来１３年ぶりの高水準にある。

　中銀は会合後の声明文で、金利据え置きを決めたことについて、前回８月会合時と同様、「ウクライナ戦争の勃発（２２年２月２４日）と、予想以上に弱まっている欧州経済がルーマニアの景気見通し、ひいては中期的なインフレ見通しに対する不確実性とリスクを生み出している」とした上で、「入手可能な最新の経済指標と、こうした最近の不確実性の高まりを考慮し、金利据え置きを決めた」としている。

　また、中銀が金利据え置きを決めたもう一つの背景にはインフレ率が２２年１０－１２月期をピークに低下傾向に入ったことがある。主に燃料価格と加工食品の下落により、８月は前年比９．４３％上昇と、６月の同１０．２５％上昇を下回り、伸びが着実に減速、３月の同１４．５３％上昇から５．１ポイントも急低下している。ただ、依然、物価目標（１．５－３．５％上昇）を上回っている。

　インフレ見通しについて、中銀は、「インフレ率は、主にベース効果と一次産品価格の低下により、最新の８月経済予測に沿って、２３年末まで低下し続ける」と見ている。

　また、今後の金融政策について、中銀は前回会合時と同様、「持続可能な経済成長を達成し、中期的にインフレ期待を抑制、インフレ率を物価目標に戻すことを目指す」とし、景気支援とインフレ抑制の両立を目指す考えを改めて強調したが、「中期的な物価安定の達成に必要な手段を講じる用意がある」とし、追加利上げの可能性に含みを残している。

　ただ、市場ではムグル・イサレスク総裁はインフレ率が政策金利水準に低下するまで金利を据え置く考えを示していることや、コア指数（調整後コア２）が依然高水準（８月は前年比１２．０４％上昇）のため、今年末まで現状維持を続けると見ている。

　次回の金融政策決定会合は１１月８日に開かれる予定。

＜関連銘柄＞

　上場ＥＭ債<1566.T>

提供：ウエルスアドバイザー社

関連記事

速報ニュース

もっと見る

マーケット情報

もっと見る
▲ページTOPへ