<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油安や通貨ルーブル安、海外株安を受け反落=BRICs市況

新興国

2023/10/10 8:57

 前週(2-6日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の6日終値が前日比0.46%高の987.14、前週比では9月29日終値比2.00%安と、反落した。

 週明け2日は指数が下落、翌3日は3営業日ぶりに反発した。4日は反落、5日も続落した。

 週前半は、ブレント原油先物が1バレル当たり91ドルに下落したことや、通貨ルーブル安が嫌気され、売りが優勢となった。米国の45日間の繋ぎ予算の成立により、政府機関の閉鎖が回避されたものの、世界銀行が中国の景気回復の遅れを理由に東南アジアの成長率を下方修正したことも嫌気され、リスク選好投資が回避された。その後は、原油価格90ドル台で落ち着いたことや、ルーブル高となったことが支援材料となり、買いが広がった。石油・天然ガス大手スルグトネフチガスと国営ダイヤモンド生産最大手アルロサが上昇し、上げをけん引。

 週後半は、海外株高が追い風となったものの、米週間石油統計を受け、原油価格が87.5ドルに後退したことが嫌気され、売りが優勢となった。その後は、海外株安となったことや、原油価格が84ドルに急落したことを受け、売りが一段と強まった。原油価格の急落は米週間石油統計でガソリン在庫が急増したことなどが背景。また、世銀がロシアの23年成長率見通しをわずか1.6%増、それ以降の3年間も平均1.1%増にとどまると予想したことも売り材料となった。

 週末6日は反発。原油価格が84ドル台で落ち着いたことが好感され、買いが優勢となった。ただ、ルーブル相場の変動を受け、上値は重くなった。また、米9月雇用統計が強い結果を示したため、年内の米追加利上げ観測が強まったことも上値を抑えた。

 今週(9-13日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える11日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や12日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は11日の9月CPI(消費者物価指数)や12日の8月貿易収支など。指数は960-1020のレンジでの取引が予想されている。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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