香港前場:ハンセン1.9%高で6日続伸、上海総合は0.8%上昇
12日前場の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比338.18ポイント(1.89%)高の18231.28ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が134.86ポイント(2.20%)高の6267.73ポイントとそろって6日続伸した。売買代金は563億6890万香港ドルに拡大している(11日前場は459億5000万香港ドル)。
内外の好材料が相場を押し上げる流れ。「国家隊」と呼ばれる中国の政府系投資会社、中央匯金投資は11日、4大国有銀行のA株を買い増している。中央匯金投資がさらに、向こう6カ月内に流通市場で一段の買い増しを続ける方針を示す中、本土株の下値不安も薄らいだ。米金利の低下基調もポジティブ材料。昨夜の米債券市場では、米10年債利回りが前日の4.65→4.55%台に低下している。先週6日は一時、4.88%台に達していた。米連邦準備理事会(FRB)の関係者からはこのところ、「追加利上げの必要性は低い」との認識が相次いでいる。(亜州リサーチ編集部)
中国の銀行が相場をけん引。ハンセン指数の構成銘柄では、中国建設銀行(939/HK)が5.9%高、中国工商銀行(1398/HK)が5.1%高、招商銀行(3968/HK)が4.8%高と値を上げた。中国金融セクターでは、保険や証券も軒並み買われている。
ゼネコン株も高い。中国建築国際集団(3311/HK)が4.9%、中国中鉄(390/HK)が4.5%、中国交通建設(1800/HK)が3.6%、中国鉄建(1186/HK)が2.9%ずつ上昇した。
建材・鉄鋼セクターも物色される。安徽海螺水泥(914/HK)が4.2%高、華潤水泥HD(1313/HK)が3.0%高、鞍鋼(347/HK)が2.7%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が2.4%高で前場取引を終えた。
自動車セクターも急伸。長城汽車(2333/HK)が8.8%高、北京汽車(1958/HK)が5.1%高、吉利汽車HD(175/HK)が4.2%高、浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.7%高で引けた。
他の個別株動向では、白物家電大手の海信家電集団(921/HK)が11.6%高。1~9月期の利益倍増見通しが好感された。ほか、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が3.5%高と続伸(11日は12.2%高)。同社が公表した9月の営業実績では、スマートフォン用レンズの出荷数が5カ月連続のプラス成長を達成した。「業績の最悪期は過ぎた」として、ブローカーの間で投資判断や目標株価を引き上げる動きが続いている。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.82%高の3104.36ポイントで前場取引を終了した。金融株が高い。消費関連株、素材株、インフラ関連株、運輸株、公益株、不動産株なども売られた。半面、ハイテク株は弱含み。メディア・娯楽株、軍事関連株の一角も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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