【為替本日の注目点】米9月のCPIは3.7%でドル上昇
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
149円前後でもみ合っていたドル円は米9月のCPI発表を境に149円台半ばまで上昇。その後149円83銭まで買われ、再び介入警戒感が強まる水準に。ユーロドルは反落し、1.0526近辺まで下落。株式市場は揃って反落。米金利が上昇したことを受け利益確定の売りに押される。債券は大幅に反落し、長期金利は4.7%近辺まで急上昇。金は5日ぶりに反落。原油は続落し83ドルを割り込む。
マーケット情報
9月消費者物価指数 → 3.7%(前年比)
新規失業保険申請件数 → 20.9万件
ドル/円 149.10 ~ 149.83
ユーロ/ドル 1.0526 ~ 1.0626
ユーロ/円 157.65 ~ 158.45
NYダウ -173.73 → 33,631.14ドル
GOLD -4.30 → 1,883.00ドル
WTI -0.58 → 82.91ドル
米10年国債 +0.139 → 4.697%
本日の注目イベント
中 中国9月消費者物価指数
中 中国9月生産者物価指数
中 中国 9月貿易統計
トルコ トルコ9月消費者物価指数
トルコ トルコ9月生産者物価指数
欧 ユーロ圏8月鉱工業生産
英 ベイリー・BOE総裁講演
米 9月輸入物価指数
米 9月輸出物価指数
米 10月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
米 企業決算 → JPモルガン、ウエルズ・ファーゴ、ブラックロック、シティグループ
米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
米長期金利の動きに引っ張られる展開が鮮明なドル円です。昨日発表された米9月の消費者物価指数(CPI)は、総合では前月比で「0.4%」、前年同月比では「3.7%」と、いずれも市場予想を上回っていました。またコア指数では、前月比が「0.3%」と、市場予想と一致していましたが、前年同月比では「4.1%」と、こちらは市場予想の「4.3%」を下回り、2021年以来の低い伸びとなりました。
結局、強弱まちまちの結果が示されましたが、今月末のFOMCでの利上げ据え置き観測はやや後退することになりましたが、債券市場の反応にはやや驚きでした。債券は大きく売られ、10年債利回りは「4.7%」前後まで急騰。これがドル円を149円台後半まで押し上げる原動力になりました。米長期金利は先週一時「4.88%」まで上昇した後急速に低下し、「4.55%」程度まで下がりました。この動きが追加利上げ見送り観測を後押しした格好となり、株高を演出していましたが、昨日の急騰で再び株だけではなく、金や原油も売られています。ただ、CPIの結果だけでここまで債券が売られたのは、個人的にはサプライズでした。FRBとしても判断に迷うところですが、政策金利を高水準に維持する方針を掲げる当局の論拠にはなりそうです。ブルームバーグは、「FRBは追加利上げの扉を開けておくことになる」と表現していました。
ブリンケン国務長官は戦闘の続いているイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と固い握手を交わし、同国を支援することを表明しました。バイデン大統領は来週、ウクライナへの追加支援を議会に正式に要請する模様ですが、その中にはイスラエルへの支援も含まれているようです。米国防総省はイスラム組織ハマスのロケット弾を迎撃するための防空システム「アイアンドーム」用に、米国の在庫からミサイルの第1弾をイスラエルに供与したことを発表しています。これらイスラエルへの支援は、そのスピードも戦闘用の武器供与もウクライナへのそれとは明らかに異なります。ブリンケン国務長官は会見で、「イスラエルは自衛の権利がある」と述べ、フランスのマクロン大統領も「イスラエルには『テロ組織を抹殺』する権利がある」と語っています。圧倒的な軍事力の違いから、この戦争が「ロシアVSウクライナ」のように長引くことはないと思われますが、イランなどイスラム諸国の出方が引き続き注目されます。
前日、「現行の引き締めサイクルのピークに近づいているか、もしかするとピークにあるかもしれない」と発言したボストン連銀のコリンズ総裁は12日にも同様な発言を行いましたが、9月のCPIの発表を受けて、「この日発表されたCPIは、物価安定回復には時間がかかることを再認識させるものだ」と述べると同時に、追加利上げの可能性にも言及していました。米インフレ率はピークを付けて、FRBが想定するギリギリの範囲内で低下してきましたが、問題は現在の3%台から目標である2%まで、あとどの程度の時間を要するのかという点です。ここから1%以上低下させるのは、労働市場が依然として堅調なことを考えると、数字よりも長い道のりかもしれません。
本日のドル円は再び150円をテストするのかどうかが焦点です。「介入らしき動き」があり、ドル円が2秒ほどの間に3円近くも急落した水準です。149円~150円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)
・今日のアナリストレポート
https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm
・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
関連記事
-
(再送)日経平均は131円程度安、一時上げ転換も戻り待ちの売りに押される=13日前場
13日午前10時すぎの日経平均株価は、前日比131円程度安い3万2363円前後で推移する。直近3日間で1500円近い上昇となっていた反動や、現地12日の米国株式が反落したことから売りが先行。一時上げ・・・…続き
-
<米国株情報>UAW、フォードの工場で予告なしにスト突入―8700人が職場放棄
2023/10/13 10:06
UAW(全米自動車労組)は11日夜、自動車大手フォード・モーター<F>の主力工場のひとつでケンタッキー州にある自動車組み立て工場で、事前通告なしにストに入ったことを明らかにした。同工場は8700人の・・・…続き
-
<米国株情報>エクソン、石油大手パイオニア・ナチュラルを買収へ
2023/10/13 10:05
石油大手エクソン・モービル<XOM>は11日、テキサス州西部を拠点とするシェールガス・オイル(油分を含む頁岩層から採取される天然ガスと石油)開発大手パイオニア・ナチュラル・リソーシズ<PXD>を買収・・・…続き
-
10時の注目株=業績高進ちょく、外食需要回復で恩恵――ニップン
2023/10/13 10:00
製粉業界2位のニップンに上伸余地がありそうだ。 同社の24年3月期の連結営業利益予想は125億円(前期比1.7%増)だが、食品事業の好調により、第1四半期(4-6月)の進ちょく率が4・・・…続き
-
レーティング情報(目標株価変更・その2)=イオンFS、プラスアルファなど
2023/10/13 9:54
◎三菱UFJモルガン・スタンレー証券(3段階・オーバーウエート>ニュートラル>アンダーウエート、中・小型株分類はBuy>Hold>Sell) イオンFS――「ニュートラル」→「ニュート・・・…続き
速報ニュース
-
日経平均は53円程度高、採用銘柄の値上がり率上位にMS&AD、東京海上、フジクラなど
15分前
-
桂川電機がストップ高カイ気配、継続企業の前提に関する注記を解消
23分前
-
41分前
-
45分前
-
日セラミクが4日ぶり反発、取得上限45万株・10億円の自己株取得枠を設定
55分前
-
<米国株情報>石油輸送のオーバーシーズ、筆頭株主サルチャックによる買収で合意
1時間前
-
<米国株情報>マイクロソフトなどPC各社、クアルコム製AIチップを一斉採用
1時間前
-
日経平均は114円程度高、買い一巡後は上げ幅を縮小=21日前場
1時間前
-
(再送)東京海上が高値更新、自社株買いと政策保有株の売却方針を好感
1時間前
-
(再送)MS&ADが新高値、増益見通しと自社株買いで買い人気
1時間前