来週の東京外国為替市場見通し=中東情勢や米経済指標を注視

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2023/10/13 16:45

予想レンジ:1ドル=148円50銭-150円15銭

 9-12日のドル・円は上昇した。週初9日は、中東で、パレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエル軍との戦闘激化が警戒され、安全通貨としての円が買われる展開。ジェファーソンFRB(米連邦準備制度理事会)副議長が、追加利上げに慎重な見方を示したこともあり、ドル・円は下落した。10日はもみ合い後、ドル・円は小幅上昇。11日は、レバノンのイスラム組織ヒズボラのイスラエルに対するロケット弾攻撃を受けた戦線拡大懸念に円が一時買われたが、米9月PPI(生産者物価指数)が市場予想を上回る中、米10年債利回りの上昇を受け、ドル・円は続伸。12日は、米9月CPI(消費者物価指数)が予想を上回ったことで米10年債利回りが上昇。その後、30年債入札の不調を受けて10年債利回りは更に上昇し、ドル・円も堅調に推移した。

 今後は、地政学リスクが高まる中東情勢に警戒したい。イスラエル軍は13日、ハマスが実効支配するガザ地区の住民に対し避難するよう指示した。パレスチナ軍は地上侵攻に備え、ガザ周辺に部隊を集結させていると伝わっており、今後本格的な地上戦になった場合、甚大な被害が出る可能性がある。地政学リスクの高まりから投資家心理が冷え込めば、株式には売り圧力が強まる。

 高止まり懸念が広がっている米金利を巡っては、引き続き米経済指標の動向に注目が集まる。10月NY連銀製造業景気指数、9月小売売上高、9月鉱工業生産、9月住宅着工件数、10月フィラデルフィア連銀景況指数、9月中古住宅販売件数などが発表される。インフレの抑制が見えない場合は、FRBの追加利上げ観測を後押しする可能性がある。

 ドル・円は、日銀による介入への警戒もあり、3日に付けた150円15銭が上値メド。下値は13日時点の25日移動平均線148円50銭近辺が目安となる。

提供:ウエルスアドバイザー社

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