米9月中古住宅販売件数、前月比2.0%減の396万件―市場予想上回る

経済

2023/10/20 8:45

<チェックポイント>

●住宅価格は3カ月連続で低下も9月としては過去最高

●住宅在庫は3.4カ月分―依然深刻な在庫不足が販売を抑制

●NAR、「在庫不足と購買力の低さが依然販売を妨げている」

 NAR(全米不動産業協会)が19日に発表した9月の中古住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比2.0%減の年率換算396万件と4カ月連続で減少したが、市場予想の平均値である396万件を上回った。

 住宅供給の過不足感を示す9月時点の未販売住宅(在庫)は前月比2.7%増の113万件だった。コロナ禍の21年の88万件や22年の96万件も上回っているが、05年の住宅ブーム時の200万件を43.5%も下回り、供給不足が続いている。

 住宅の販売ペースは、販売物件が9月中に市場に残っていた期間が21日間と、前月の20日間や1年前の19日間から長期化した。ただ、9月の販売ペースで換算した在庫水準は3.4カ月分で、適正水準とされる5-6カ月分を大きく下回る状態が続いている。

 9月の住宅価格(中央値)は前月比2.4%低下の39万4300ドルとなり、3カ月連続で低下したが、9月としては過去最高値となった。

 9月の新規住宅取得者の比率は27%と、前月と1年前の29%を下り、過去平均の40%も大きく下回った。

 NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、「限られた住宅在庫(供給)と住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)の低さが依然として住宅販売を妨げている」と指摘。住宅価格については、「(価格を下げるには)住宅供給の拡大の必要性を裏付けている」とし、深刻な供給不足が住宅価格の高騰の元凶と見ている。

 住宅ローン金利が高い水準で推移しているため、低金利時に中古住宅を購入した所有者は持ち家の売却に慎重となり、供給不足を引き起こしている。深刻な在庫不足に加え、住宅ローン金利の上昇で住宅取得希望者の取得能力が低下していること、需要と供給の両方が減少していることも販売不振の要因。市場では住宅ローン金利が今後、急激に低下し、住宅供給が増加しなければ、住宅市場の救済は困難と見ている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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