<新興国eye>前週のロシア株、中東紛争激化による原油高と通貨ルーブル高を受け続伸=BRICs市況

新興国

2023/10/23 9:05

 前週(16-20日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の20日終値は前日比2.34%高の1081.29、前週比では13日終値比4.60%高と、2週連続で大幅高となった。

 週明け16日は指数が上昇。翌17日は小反落した。18日は反発、19日も続伸した。

 週前半は、イスラム組織ハマスとイスラエルの中東紛争の激化を受け、ブレント原油先物が1バレル当たり90ドルに急騰したことが好感され、買いが優勢となった。個別銘柄では前週、新規上場したばかりのIT大手アストラ・グループが急騰、上げをけん引。その後は、原油価格が89.5ドルにやや値を戻したことや、通貨ルーブルの下落が嫌気され、売りが強まった。

 週後半は、中東紛争の拡大を受け、原油価格が91ドル台に回復したことや、ルーブル高が好感され、買いが優勢となった。天然ガス生産・供給大手ガスプロムの石油子会社ガスプロム・ネフチや石油・天然ガス開発大手のロスネフチとルクオイルが急騰、上げを主導。その後は、原油価格が一時、89ドルに落ち込んだものの、再び91.4ドルに回復したことが好感され、買いが強まった。原油価格が一時、90ドル割れとなったのは米政府がベネズエラの石油・天然ガスセクターに対する制裁を緩和したため、同国産原油の生産量が日量20万バレル増加するとの観測が背景だった。

 週末20日は3日続伸。ルーブル高が好感され、買いが優勢となった。

 今週(23-27日)のロシア市場は、引き続き、中東紛争やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)の動向、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える24日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や25日の米EIA週間石油在庫統計、ロシア中銀の金融政策決定会合(27日)も注目される。主な経済発表の予定は25日の9月鉱工業生産など。指数は1020-1120のレンジでの取引が予想されている。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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