米9月新築住宅販売件数、前月比12.3%増の75.9万件―市場予想上回る

経済

2023/10/26 9:10

<チェックポイント>

●1年7カ月ぶり高水準に―業者のローン支援が追い風

●住宅価格は2カ月連続で低下―手ごろ物件の比率が上昇

●住宅の供給不足は依然否めず

 米商務省が25日に発表した9月の新築住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比12.3%増の年率換算75万9000件となり、市場予想の平均値である68万件を大幅に上回った。また、8月分は67.5万件から67.6万件と、小幅に上方改定された。前年比は33.9%増で、6カ月連続で前年水準を上回っている。

 住宅ローン金利の高止まりで住宅購入を希望する者のアフォーダビリティー(住宅取得能力)が抑制されているため、建築業者が住宅ローン金利の一部を肩代わりするキャンペーンを展開したことが販売件数の急増の主な要因とみられる。ただ、こうしたキャンペーンは限度があるため、効果は長続きしないとの見方がある。

 販売価格が落ち着いたことも追い風。9月の住宅価格は中央値(季節調整前)で、前月比3.3%低下の41万8800ドルと2カ月連続で低下した。また、販売価格帯は、40万ドル以上の高額物件の販売比率が54%と、8月の60%から大幅に低下した一方で、40万ドル未満の手ごろ物件比率は45%と、前月の39%を大きく上回った。

 住宅供給(在庫)をみると、9月の新築住宅在庫は前月比0.7%増の43万5000件と、4カ月連続で増加したが、22年10月のピーク時の47万2000件を下回っている。9月の販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準は6.9カ月相当と、前月の7.7カ月を下回り、22年2月(6.2カ月相当)以来の低水準となった。

 住宅在庫のうち、すぐに販売できる完成件数は前月比横ばいの7万5000件と、在庫全体の17.2%。未着工件数は全体の24.1%の10万5000件、建築中件数は全体の58.6%の25万5000件。

 在庫全体では住宅バブル期の在庫水準(45万件)に近いが、フレディマックの調査によると、現在の住宅取得需要は強く、需要を満たすためには住宅供給は最大400万件不足していると試算されている。市場の一部では最大で500万件が不足しているとの見方もある。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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