<新興国eye>前週のロシア株、原油安や米金利高長期化懸念、利食い売りを受け反落=BRICs市況

新興国

2023/10/30 8:58

 前週(23-27日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の27日終値は前日比0.53%安の1079.07、前週比では20日終値比0.20%安と、3週ぶりに反落した。

 週明け23日は指数が上昇。25日まで6営業日続伸した。26日は急反落。

 週前半は、通貨ルーブル高が好感され、買いが優勢となった。ただ、ブレント原油先物が1バレル当たり91ドルを割り込んだことや、中東紛争の激化で海外株安となったため、上値は限られた。その後は、中東紛争の緊張緩和で原油価格が88ドルに低下し、海外市場が持ち直したことを受け、ロシア市場でも買いが広がった。ルーブル高の進行も支援材料となった。

 週後半は、ルーブルが一段高となったことや、原油価格も90ドルに回復したことが好感され、買いが強まった。原油高はイスラエルのネタンヤフ首相がガザ地区への地上侵攻を断念しないと改めて強調したことが背景。その後はFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合を翌週に控え、金融引き締めの長期化懸念が強まり、海外市場が下落したことや、原油価格が88.5ドルに下落したことが嫌気され、売りが優勢となった。個別銘柄では国営金融大手VTB(対外貿易銀行)と国営電力大手インテル・ラオがいずれも四半期決算の悪化を受けて急落、下げをけん引。

 週末27日は続落。売り買いが交錯する中、利食い売りが強まり、指数はマイナス圏で引けた。ただ、ロシア中銀が最近のインフレ上昇を抑えるため、2ポイントの利上げを決め、ルーブル高となったため、下げは限定的となった。

 今週(10月30日-11月3日)のロシア市場は、引き続き、中東紛争やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)の動向、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える31日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や1日の米EIA週間石油在庫統計、さらにはFRBの金融政策決定会合(1日)も注目される。主な経済発表の予定は1日の9月失業率と10月製造業PMI(購買担当者景気指数)、9月小売売上高、3日のサービス業PMIなど。指数は1040-1130のレンジでの取引が予想されている。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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