【為替本日の注目点】ミシガン大学消費者マインド4カ月連続で低下

為替

サーチナ

2023/11/13 10:23

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は小幅に続伸。介入警戒感が継続するなか、米金利上昇に151円60銭まで上昇。ユーロドルは下落。1.0663まで売られ、NYでは終始1.06台で推移。株式市場は3指数が大幅に上昇。S&P500は67ポイント買われ、節目の4400を抜ける。債券は反落。長期金利は4.65%台に上昇。金は大きく売られ1937ドル台に。原油は続伸。

マーケット情報

11月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 60.4

ドル/円 151.33 ~ 151.60

ユーロ/ドル 1.0663 ~ 1.0692

ユーロ/円 161.53 ~ 161.94

NYダウ +391.16 → 34,288、16ドル

GOLD -32.10 → 1,937.70ドル

WTI +1.43 → 77.17ドル

米10年国債 +0.027 → 4.652%

本日の注目イベント

中東 OPEC月報

米 10月財政収支

米 APEC財務相会議(サンフランシスコ)

 ドル円は介入警戒感が続くなか、前回と同様にジリジリと「牛歩」の動きを続け、前日の高値をわずかに上回る151円60銭まで買われています。ここ1週間の動きを見ると、米長期金利が上昇した際にはドル高が進みますが、低下した時でもドル円が上昇する展開になっています。ここはやはり、介入を見ないと収まらない展開なのかもしれません。11月のミシガン大学消費者マインドは市場予想を下回る「60.4」と、4カ月連続で前の月を下回る軟調な結果でしたが、インフレ期待が予想を超えていたことが米金利上昇につながったようです。1年先の期待インフレは「4.4%」、5-10年先の期待インフレは「3.2%」と、いずれも市場予想を上回る結果でした。

 今週15日にサンフランシスコで開催される「APEC首脳会談」で、バイデン大統領と中国の習近平国家主席が1年ぶりの会談を行い、「両首脳は両国間の軍事対話再開を優先事項とする」とホワイトハウスが発表しています。サリバン大統領補佐官はCNNの番組で、「基本的には中国側がそうした対話を絶った」とした上で、「バイデン大統領はその再構築を望んでいる。今回の首脳会談をそのための前進の機会ととらえるだろう。間違いや計算違い、誤解がないようにするためには、そうした連絡ラインが必要だ」と説明しています。また、首脳会談ではイランを巡る問題も議論される予定です。

 イスラエル軍は、停戦を求める国際社会からの声を無視する形で、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスへの攻撃を続けています。10日にはガザ地区最大の病院、シファ病院が攻撃を受け大きな被害が出ています。イスラエルはこの病院の地下にハマスの拠点があるとの談話を発表しており、今回の紛争での死者数はパレスチナ側で1万1000人を超えてきました。国際社会からも「自衛権の枠を大きく超えている」、「人道的配慮が全くない」といった非難の声も高まっており、今やイスラエルは完全に「悪者扱い」の様相です。今朝の報道ではバイデン政権の高官はNBCに対して、「ハマスがイスラエル人の女性や子供ら約80人の人質を解放する取引の可能性がある」と述べており、ネタニヤフ首相も同局の番組「ミート・ザ・プレス」に対し、交渉が「実現する可能性がある」と語っていますが、実現するかどうかは不透明のようです。米国は今回のイスラエルの想定外の過剰な攻撃に、手を焼いているとみられます。米国内のユダヤ人からも批判の声が上がっており、この紛争が長引けばバイデン氏への批判票にもつながり、大統領選に影響するかもしれません。「大事に育てた息子が親に反攻している」構図のようにも見えます。

 今週末17日(金)につなぎ予算の期限が来ることで、再び米政府機関閉鎖問題がクローズアップされて来ました。ウクライナへの追加支援予算などを巡り民主・共和両党は対立し、2024年度予算の成立が大幅に遅れていますが、ジョンソン下院議長はつなぎ予算成立に向けた新たな提案を行う模様です。提案は、共和党保守派の一部が求めている支出の即時30%削減や移民政策変更を盛り込まず、イスラエルやウクライナへの新たな支援も除外した案での可決を目指すようです。マッカーシー前下院議長は政府機関閉鎖直前につなぎ予算を成立させたことでその後辞任に追い込まれましたが、今回も2024年度予算ではなく、再びつなぎ予算での成立を目指すことで、格付け会社ムーディーズは、米国の信用格付け見通しをこれまでの「ステーブル(安定)」から、「ネガティブ(弱含む)」に引き下げています。同社は3大格付け会社の中で唯一米国の最上級格付け「Aaa」維持していますが、今回も同格付けは変えていません。

 本日のドル円は150円50銭~152円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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