<新興国eye>トルコ5年国債CDSスプレッド、一時364.64bpsに低下―2年超ぶり低水準

新興国

2023/11/17 8:44

 トルコの貸付債権の信用リスクプレミアムを示す5年国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)のスプレッドが14日の取引で、一時、前日比14ベーシスポイント(bps)低下の364.64bps(3.6464%)と、21年3月以来、2年8カ月ぶりの低水準となった。地元紙デイリー・サバなどが15日に伝えた。

 これは5年国債の元本1000万ドル当たりの年間プロテクション購入コスト(国債保証コスト)が36万4640ドルに低下したことを意味する。同国のCDSのスプレッドは11月初めに400bps(元本1000万ドル当たりのプロテクション購入コストは40万ドル)を割り込んで以降、低下傾向にある。

 市場では同国のCDS低下は中東紛争やロシアのウクライナ侵攻などの地政学的リスクにもかかわらず、トルコ中銀による段階的な政策金利の引き上げなどのインフレ抑制措置により、今後の経済の不確実性が緩和したことが背景にあるほか、米10月CPI(消費者物価指数)の低下を受け、米利上げサイクルの終了観測が強まったことも寄与したと見ている。

 トルコ中銀は6月から積極的な利上げサイクルを開始、前回10月会合までに利上げ幅は計26.5ポイントに達した。また、中銀は11月四半期インフレ報告書で、ディスインフレ(物価上昇率の低下)は24年下期から始まる見通しを示している。

 メフメト・シムシェキ財務相は14日、X(旧ツイッター)で、CDSの低下について、「我々の経済計画の成果は24年下期以降にはっきりと現れる。その結果、投資家の信頼感がさらに強まり、我が国への資金流入が加速する」とした上で、「これにより、ディスインフレプログラムの短期的な成長見通しに対する下振れリスクが抑えられる」と述べている。

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 上場MSエマ<1681.T>

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