米10月住宅着工件数、前月比1.9%増の137.2万件―市場予想上回る

経済

2023/11/20 8:29

<チェックポイント>

●これまでの金利高を背景に一戸建てよりアパートの需要伸長

●建築許可件数も市場予想上回る

●住宅金利は低下傾向、市場は今後数カ月の需要回復を予想

 米商務省が17日に発表した10月の住宅着工件数(季節調整値)は、年率換算で前月比1.9%増の137万2000件と7月の145.1万件以来の高水準となり、市場予想の平均値である135万件を上回った。なお、9月分は134.6万件(前回135.8万件)、8月分は130.5万件(126.9万件)に改定されている。

 内訳は主力の一戸建てが前月比0.2%増の97万件、月毎に変動が激しいアパート(5世帯以上)が同4.9%増の38万2000件となった。賃貸向けアパートが伸びているのは、金利高の影響で一戸建ての需要が鈍化しているためとの見方がある。

 先行指標である建築許可件数は前月比1.1%増の148万7000件と、前月の同4.5%減から増加に転じ、市場予想の145万件を上回った。こちらも主力の一戸建てが同0.5%増の96万8000件と微増なのに対し、アパート(5世帯以上)は同2.2%増の46万9000件と堅調で、前月の大幅減(14%減)から増加に転じた。

 一戸建てのバックログ(受注残)は前月比横ばいの14万件、アパートは同3.8%増の13万6000件となり、全体では同1.8%増の28万1000件。建築中件数は一戸建てが前月比0.6%減の66万9000件、アパートは同0.1%増の98万7000件で、全体では同0.1%減の167万4000件。完成住宅件数は一戸建てが前月比0.9%減の99万3000件、アパートが同12.6%減の40万8000件となり、全体では同4.6%減の141万件となった。

 市場では、中古住宅の深刻な在庫不足や、建築業者による住宅価格の値下げキャンペーンに加え、10月に8%に達した住宅ローン金利が11月に7%台半ばまで低下したことから住宅購入希望者の取得能力が改善しているとし、今後数カ月は新築市場の回復が見込まれるとしている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ