【為替本日の注目点】ドル円下落分の半値戻しを達成

為替

サーチナ

2023/11/24 10:05

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 NY市場が感謝祭の祝日だったことからドル円は149円台で小動き。上値は149円70銭と、今回の下げ幅の半値戻しを達成。ユーロドルは前日から下落。1.09台を割り込み、1.0887まで売られる。

マーケット情報

ドル/円 149.04 ~ 149.70

ユーロ/ドル 1.0887 ~ 1.0931

ユーロ/円 162.36 ~ 163.19

NYダウ ------ → 35,088.29ドル

GOLD ------ → 2,001.60ドル

WTI ------ → 77.77ドル

米10年国債 ------ → 4.393%

本日の注目イベント

日 10月消費者物価指数

日 9月景気先行指数(CI)(改定値)

日 9月景気一致指数(CI)(改定値)

独 独7―9月期GDP(改定値)

独 独11月ifo景況感指数

欧 ラガルド・ECB総裁講演

米 株式・債券市場、短縮取引

米 感謝祭翌日のブラックフライデー

米 11月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)

米 11月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)

米 11月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)

加 カナダ9月小売売上高

 ドル円は今週21日(火)には147円15銭まで売られる場面がありましたが、その後の戻りも急で、昨日の海外市場では149円70銭までドルが反発し、これで今回の下落分の半値(147円53銭)戻しを達成しています。「半値戻しは、全値戻し」という言葉もあるように、再び150円台に乗せて上昇できるのかどうかが焦点になります。今週の下げはこれまでになく深かったこともあり、この先輸出筋を中心に、ドルの戻りには今まで以上に慎重になることも予想されます。また150円前後でのドルロング・ポジジョンの解消も当然ドルの上値を抑えることが見込まれますが、それらをこなした上で、上昇できるかどうかです。

 トルコ中銀は23日、政策金利である1週間物レポ金利を「5%」引き上げ、「40%」にすることを決めました。利上げ幅は市場で見込まれていた2倍の大きさでした。声明では、「現在の金融引き締めの水準はディスインフレ路線を確立する上で必要な水準にかなり近い」と説明し、「従って、引き締めペースを減速させ、引き締めサイクルを短期間のうち完了する」としています。エルカン総裁率いるトルコ中銀は、今年6月から6回連続で利上げを実施してきました。発表を受けてリラ円は上昇しましたが、上昇幅は小幅で、その後元の水準に押し戻されています。声明文後半の部分が再びリラ売りにつながったものと思います。

 カタールは、イスラエルとハマスの一時的な戦闘停止が24日現地時間朝7時に開始されると発表しました。仲介を行っているカタール外務省によると、戦闘停止は4日間行われ、戦闘停止に加えてハマスは人質50人を解放し、イスラエル側も刑務所に収容しているパレスチナ人150人を解放する見通しです。この200人はいずれも女性と子供だと見られています。イスラエルとハマスの合意はかつて何度か履行されなかったこともあり、まだ予断を許さない状況ですが、履行されたとしても4日間の戦闘停止後に「停戦」に向う可能性は、現時点ではほとんどないようです。

 ドル円は、今回の急落では「12時間足」チャートの200本移動平均線で下げ止まりましたが、同時間足では149円95銭近辺から上に「雲」があり、ここを抜け切ることができるかどうかに注目しています。「日足」を見る限りドル高の流れは変わっていないと、これまでもコメントして来ましたが、FOMCでの追加利上げの可能性は徐々に低下しており、これまでとはドルを取り巻く環境も変わりつつあります。FRBが2%の物価目標達成に「確信」が持てるようになるには、雇用と個人消費の鈍化傾向が明確になる必要があり、今後もこの2つの指標からは目が離せません。

 本日のドル円は148円80銭~150円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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