香港前場:ハンセン0.7%安で反落、上海総合0.3%下落

サーチナ

中国株

2023/12/1 13:34

 1日前場の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比117.03ポイント(0.69%)安の16925.85ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が59.04ポイント(1.01%)安の5798.50ポイントとそろって反落した。売買代金は460億2750万香港ドルとなっている(11月30日前場は519億2200万香港ドル)。

 投資家の慎重スタンスが再び強まる流れ。米長期金利の低下一服や、中国不動産デベロッパーの債務問題などが売り材料だ。昨夜の米債券市場では、このところ連日で低下していた米10年債利回りが急上昇している。中国では、流動性危機に直面する中国恒大集団(3333/HK)が11月30日引け後、主力子会社の恒大地産集団について、未償還債務残高が今年10月末時点で約3013億6300万人民元(約6兆2959億円)となっている実態を報告した。債務再編が困難だと不安視されている。一方、取引時間中に公表された11月の財新中国製造業PMI(民間による)は50.7に拡大し、前月実績(49.5)と市場予想(49.6)を上回った。景況判断の境目となる50を再び超過している。前日発表された国家統計局などによる製造業PMIは、予想外に悪化していた。(亜州リサーチ編集部)

 ハンセン指数の構成銘柄では、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が6.1%安、香港不動産デベロッパー大手の新世界発展(17/HK)が4.6%安、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(6862/HK)が4.2%安と下げが目立った。

 セクター別では、中国の不動産が安い。上述した中国恒大集団が4.8%、中国海外宏洋集団(81/HK)が2.7%、中国金茂HD(817/HK)と雅居楽集団HD(3383/H)がそろって2.2%ずつ下落した。

 中国自動車セクターもさえない。小鵬汽車(9868/HK)が5.1%安、吉利汽車HD(175/HK)が2.7%安、比亜迪(1211/HK)が2.2%安、長城汽車(2333/HK)が2.0%安で引けた。価格競争が再び激化。年末の接近を意識し、自動車メーカー各社が相次ぎ値下げを発表した。

 半導体セクターも売られる。晶門半導体(2878/HK)が4.4%安、上海復旦微電子集団(1385/HK)が4.1%安、華虹半導体(1347/HK)が3.8%安、中芯国際集成電路製造(981/HK)が3.2%安と値を下げた。

 有料道路など交通インフラ関連は物色される。越秀交通基建(1052/HK)が2.4%高、四川成渝高速公路(107/HK)が1.8%高、安徽皖通高速公路(995/HK)が1.0%高、浙江滬杭甬高速公路(576/HK)が0.8%高で前場取引を終えた。

 一方、本土マーケットも反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.32%安の3019.84ポイントで前場の取引を終了した。消費関連株が安い。医薬株、素材株、ハイテク株、インフラ関連株、公益株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。銀行株、不動産株、メディア・娯楽株も買われた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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