来週の東京外国為替市場見通し=パウエルFRB議長発言を確認後は雇用統計にらんだ動き

国内市況

為替

2023/12/1 16:36

予想レンジ:1ドル=146円00銭-150円00銭

 11月27-30日のドル・円は下落した。週初27日は、米5年物国債入札が堅調で米金利が低下し、ドル・円は下押し。28日、一部報道が日銀のマイナス金利解除について報じたほか、ウォラーFRB(米連邦準備制度理事会)理事が数カ月後の米利下げの可能性に言及し、ドル売り・円買いが強まった。29日、米7-9月期GDP(国内総生産)改定値が市場予想を上回りドルを支援したが、FRB高官発言を受けて米追加利上げ終了観測が強まったほか、ベージュブック(米地区連銀経済報告)が米経済活動の減速を示す内容で、ドル・円の重しに。30日は、FRB高官から米国の早期利下げをけん制する発言が聞かれ、切り返した。

 ドル・円は目先、現地12月1日予定のパウエルFRB議長の談話・討論会が焦点。金融当局者が金融政策に関する発言を控える「ブラックアウト期間」直前の発言機会となる。直近のウォラーFRB理事のハト派発言以降、市場では米国が早期に利下げに転じるとの思惑が広がったが、その後のFRB高官発言はハト派・タカ派でまちまち。パウエルFRB議長の発言が、当面の米国の金融政策スタンスを見極める基本的な指針となりそうだ。

 ただ、週明け以降は週末8日に米11月雇用統計の発表を控え、ドル・円は神経質な展開か。米11月ISM(供給管理協会)非製造業景況指数、米11月ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)雇用統計、米10月貿易収支などの経済指標と併せて、足元の米景気およびFRBの金融政策への影響をうかがう相場が続こう。一方で、ドル・円の動きでは日銀の金融政策動向も注視。大規模金融緩和策の修正観測は依然として根強く、目先は12月4日に日銀が開催する「金融政策の多角的レビュー」の第1回ワークショップ(テーマ「非伝統的金融政策の効果と副作用」)が注目されそうだ。

 ドル・円はチャート上で、25日移動平均線1ドル=149.83円(11月30日)近辺で、心理的フシとなる150円が上値抵抗線。下方向では、直近安値146.65円(11月29日)を割り込めば146円がサポートラインとなる。

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

  • (再送)1日のPTS注目ポイント=松屋、内田洋行、伊藤園、クミアイなど

    株式

    PTS

    2023/12/1 16:32

    ▽松屋、11月の銀座本店売上高は前年同月比21.1%増。▽H2Oリテイ、百貨店の全店売上高は前年同月比18.0%増。▽Jフロント、11月の百貨店事業売上・・・…続き

  • 1日の米国債券市場見通し=パウエル議長発言に注意

    債券

    2023/12/1 16:31

    予想レンジ:米長期債利回り 4.25-4.45% ニューヨーク連銀総裁は、景気抑制的な金融政策が、かなりの期間続くと想定と発言。サンフランシスコ連銀は利下げは現時点で全く考えずとコメント。30日の米債・・・…続き

  • 週明けの日本株の読み筋=もみ合う展開か

    株式

    2023/12/1 16:30

     週明け4日の東京株式市場は、もみ合う展開か。日本株は堅調な企業業績予想を背景に、配当再投資の買いも見込まれることから下値は固そう。一方で、買い進む材料に乏しい状況で、積極的な買いが期待しにくく、方向・・・…続き

  • 個別銘柄のスポット情報(2)

    株式

    2023/12/1 16:22

     芦森工 大幅続伸。豊田合との資本・業務提携を強化。 アルデプロ(特設) ストップ安。特設注意市場銘柄の指定と上場契約違約金の徴求、再発防止策の公表延期・・・…続き

  • 個別銘柄のスポット情報(1)

    株式

    2023/12/1 16:21

     レーザーテク 年初来高値。岩井コスモ証が5段階の最上位の「A」を継続し、目標株価を3万4000円から4万円に引き上げた。 東洋電機 大幅続伸。インドネシアの国営車両製・・・…続き

マーケット情報

▲ページTOPへ