【為替本日の注目点】米長期金利3カ月ぶりに4.1%台に低下

為替

サーチナ

2023/12/6 9:59

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は10月の米求人件数が予想を大きく下回ったことを受け、147円台前半から146円57銭まで下落。その後は147円台を回復したが、上値の重い展開が続く。ユーロドルは続落し、約3週間ぶりに1.0779まで売られる。株式市場はまちまちの展開の中、米金利が低下したことでナスダックは44ポイント上昇。他の2指数は小幅安。債券は反発。長期金利はおよそ3カ月ぶりとなる4.16%台まで低下。金は続落。原油も4日続落で72ドル台に。

マーケット情報

11月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値) → 50.8

11月S&Pグローバル総合PMI(改定値) → 50.7

10月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 → 8733千件

11月ISM非製造業景況指数 → 52.7

ドル/円 146.57 ~ 147.39

ユーロ/ドル 1.0779 ~ 1.0839

ユーロ/円 158.73 ~ 159.29

NYダウ -79.88 → 36,124.56ドル

GOLD -5.90 → 2,036.30ドル

WTI -0.72 → 72.32ドル

米10年国債 -0.088 → 4.165%

本日の注目イベント

豪 豪7-9月期GDP

独 独10月製造業新規受注

欧 ユーロ圏10月小売売上高

米 11月ADP雇用者数

米 10月貿易収支

加 カナダ11月貿易収支

加 カナダ中銀政策金利発表

 ドル円は147円を中心にもみ合いの展開です。昨日もそうでしたが、146円台では買が入り押し戻される展開ですが、147円台では半ばから後半が重くなっています。NYでは、10月の求人件数(JOLTS)が「873万3000件」と、市場予想の「930万件」から大きく減少していました。

 10月分では、広範なセクターで減少しており、特にヘルスケア、金融、宿泊・食品サービスで顕著でした。また、9月分も下方修正され、米労働市場が冷え込みつつあることを示唆しています。「自発的離職者の割合である離職率は4カ月連続で2.3%と、2021年1月以来の低水準が続いた。離職率の低下は、労働者が別の仕事を見つける自信が薄れている現状や、転職の際の賃金上昇幅が小さくなっていることを示唆している」とブルームバーグは伝えています。毎週発表される「新規失業保険申請件数」も増加傾向にあり、好調な米労働市場にも景気抑制的政策の影響が出てきた可能性があります。その意味では、今週末の「11月雇用統計」の結果が一段と注目され、結果試次第ではドルが一気に145円台に突入する可能性もあり、反対に148円台回復の可能性もあります。来年早い時期での利下げ期待が高まっている市場の追い風になるのか、あるいはその観測にブレイキを掛けることになるのか、注目したいと思います。

 オーストラリア準備銀行(RBA)は5日、今年最後となる金融政策決定会合で政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を4.35%に据え置くことを決めました。市場予想通りの決定でしたが、この発表後、豪ドルはやや軟調に推移しています。RBAのブロック総裁は会合終了後の声明で、「インフレ率を合理的な時間枠で当局目標に確実に回帰させるため、金融政策のさらなる引き締めが必要かどうかはデータやリスクの評価に左右される」と説明し、「インフレ率を目標に回帰させる確固たる決意に変わりはなく、それを達成するために必要なことを行うつもりだ」と述べていました。

 7日間の停戦を終えた直後に大規模な攻撃を再開したイスラエルですが、政府の報道官は5日、「人質を解放するための一時的な休止なら、検討できる」とエルサレムの記者クラブで述べていました。しかし、今朝のブルームバーグの報道では、ネタニヤフ首相は「ハマスはわれわれを破壊しようとしているが、逆にわれわれが彼らを壊滅させつつある。われわれは最後まで、圧勝するまで戦い抜く」と表明しています。イスラエルでは特にネタニヤフ首相の強硬姿勢が目立ちますが、同氏への支持率は低下している模様です。ロシアのプーチン氏に似て来たと感じるのは筆者だけではないと思いますが、どうでしょう・・・。

 バイデン大統領はマサチューセッツ州で行われた選挙資金集めのイベントで「トランプ氏が出馬していなければ、私が出馬していたかどうか分からない」と発言し、「だが米国のためには、彼を勝たせるわけにはいかない」と、今年81歳になり、高齢にもかかわらず再出馬した理由を述べています。やや正義感を前面に押し出し、同情を買っているとの印象もありますが、民主党内に有力な候補者がいないことと、トランプに任せるわけにはいかないというところは共鳴できる部分です。バイデン氏はまた、氏が高齢であることを巡る懸念をユーモアで和らげ、「40歳に2回なったことになる」とも述べています。FRBの利上げ局面が終わり、利下げが視野に入る頃には、今度は2024年大統領選が大きな材料になります。

 本日のドル円は146円30銭~148円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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