香港前場:ハンセン0.7%高で4日ぶり反発、上海総合は0.1%下落

サーチナ

中国株

2023/12/6 13:32

 6日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比119.90ポイント(0.73%)高の16447.76ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が40.31ポイント(0.72%)高の5649.94ポイントとそろって4日ぶりに反発した。売買代金は482億2630万香港ドルとなっている(5日前場は591億6050万香港ドル)。

 米長期金利低下が好感される流れ。米金融当局が金融政策で重要視する雇用関係の指標が弱含む中、米利上げサイクルの終了期待が高まり、昨夜の米債券市場では米10年債利回りが再び急低下した。約3カ月ぶりの低い水準に回帰している。また、このところの急ピッチな下落でハンセン指数が昨日、昨年11月10日以来の安値を付けたとあって、値ごろ感も着目された。ただ、上値は重い。格付け見通しの引き下げが逆風だ。財政および経済状況に下振れリスクがあるとして、格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは5日、中国の信用格付け見通しを「安定的(ステーブル)」から「弱含み(ネガティブ)」に引き下げている。また、中国であす7日に11月の貿易統計、米国で8日に11月の雇用統計(米労働省)が公表される予定。模様眺めのスタンスも漂った。指数は安く推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)

 「ニューエコノミー」関連銘柄に買いが先行。ハンセン科技(テック)指数は1.3%高で他の指数をアウトパフォームした。個別では、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(992/HK)が7.8%高、新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来汽車(9866/HK)が4.3%高、オンラインゲーム中国大手の網易(9999/HK)が3.7%高と値を上げている。聯想は前日、楊元慶・董事長兼首席執行官(CEO)による一部保有株の売却が嫌気され10.2%安と急落していた。

 本土と香港の不動産セクターも高い。旭輝(884/HK)が5.5%、中国奥園集団(3883/HK)が4.8%、世茂房地産HD(813/HK)が3.4%、恒基兆業地産(12/HK)が3.6%、新世界発展(17/HK)が2.6%ずつ上昇した。

 マカオのカジノ関連もしっかり。金沙中国(1928/HK)が4.2%高、美高梅中国HD(2282/HK)が3.9%高、新濠国際発展(200/HK)が1.9%高、永利澳門(1128/HK)が1.5%高で引けた。

 宅配や荷役など物流関連の銘柄群も物色される。嘉里物流聯網(636/HK)が7.5%高、深セン国際HD(152/HK)が4.0%高、中国外運(598/HK)が3.4%高、京東物流(2618/HK)が2.0%高で前場取引を終えた。

 他の個別株動向では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が5.3%高と3日ぶりに反落。同社は6日、この日から自社株買いプログラムを始動すると発表した。成長減速の警戒感が強まる中、同社株は前日までの2営業日で約30%下落している。

 一方、本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.11%安の2968.90ポイントで前場の取引を終了した。エネルギー株が安い。銀行株、公益株、運輸株なども売られた。半面、不動産株は高い。素材株、医薬株、半導体株も買われた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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