【為替本日の注目点】WTI原油価格70ドルを割り込む

為替

サーチナ

2023/12/7 9:58

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は東京時間終盤に147円を割り込んだが、今回も反発。NYでは米金利低下にも終始147円台で推移。ECBのシュナーベル理事が追加利上げの可能性がないことに言及したことで、ユーロドルは1.0760まで続落。株式市場は3指数が揃って下落。ダウは70ドル下げ3日続落。債券は続伸。世界的に債券が買われたこともあり、長期金利は4.10%に低下。金は反発。原油は5日続落。ガソリンの在庫が増えていたことで2ドルを超える下げに。70ドルを割り込み、およそ5ヵ月ぶりの安値を記録。

マーケット情報

11月ADP雇用者数 → 10.3万人

10月貿易収支 → -64.3b

ドル/円 147.00 ~ 147.40

ユーロ/ドル 1.0760 ~ 1.0805

ユーロ/円 158.57 ~ 159.02

NYダウ -70.13 → 36,054.43ドル

GOLD +11.60 → 2,047.90ドル

WTI -2.94 → 69.38ドル

米10年国債 -0.061 → 4.104%

本日の注目イベント

豪 豪10月貿易収支

日 10月景気先行指数(CI)(速報値)

中 中国11月貿易統計

中 中国11月外貨準備高

独 独11月貿易収支

独 独10月鉱工業生産

欧 ユーロ圏7-9月期GDP(確定値)

米 新規失業保険申請件数

米 10月消費者信用残高

米 7-9月期家計純資産

加 カナダ10月住宅建設許可件数

 民間の雇用統計である11月のADP雇用者数は、市場予想の「13万人」を下回る「10.3万人」でした。また10月分も速報値の「11.3万人」から「10.6万人」に下方修正されています。民間企業の雇用者数は明らかに増加ペースが鈍化してきており、製造業の雇用者数は2022年初め以来の低水準でした。また、新型コロナウイルス禍後の雇用回復をけん引してきた娯楽・ホスピタリティーのセクターでは、2021年2月以降で初めて雇用者数が減少しています。ADPのチーフ・エコノミストは、「そうした押し上げ効果は終わった。娯楽・ホスピタリティーが過去のトレンドに戻ったことは、経済全体での雇用と賃金の伸びが来年に鈍化することを示唆する」と、今回のデータを分析しています。明日の雇用統計本番でも、そもそもADP雇用者数との強い相関は見られないものの、求人件数の減少や新規失業保険申請件数の増加傾向などを勘案すると、「16万人」と予想されている見込みが、下振れする可能性はあるかもしれません。

 WTI原油価格の下げがきつくなっています。昨日のNY商品先物市場では前日比3ドルに迫る下げを記録し、70ドルを割り込んできました。一時は69ドル11セントまで売られ、およそ5カ月ぶりの安値を付けています。ガソリンの在庫が増加していたことに加え、米国からの輸出増加もあり、さらに「OPECプラス」による減産実施に対する懐疑的な見方もあり、全体としては供給過剰への懸念が強まっていることが背景のようです。今年9月の直近高値である90ドル台からはすでに23%を超える下げとなっています。

 為替市場ではユーロドルの下げが目立っています。ユーロドルは昨日のNYでは1.0760まで売られ、1.10台から急速に下げています。ECBのシュナーベル理事はロイター通信とのインタビューで、「直近のインフレ率を見ると、追加利上げの可能性はかなり低い」と述べたことが材料になっています。11月30日に発表されたユーロ圏11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で「2.4%」と、市場予想を大きく下回るものでした。シュナーベル氏は、「11月のインフレ速報値は非常に嬉しいサプライズだった。最も重要なのは、より頑固だった基調的インフレ率が、予想以上に急激に低下していたことだ。これは驚くべきことだ。全体として、インフレの進展は心強い」と語っています。昨日のNYでは米長期金利が引き続き低下している中でも、ドル円は底堅く推移していましたがこれは、ユーロドルで「ユーロ安」が進んだ影響もあったようです。米インフレ率の動向でドル円も左右されますが、今後はユーロ圏のCPIとユーロドルの動きにも目配せが必要です。

 本日のドル円は146円50銭~148円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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