米11月住宅着工件数、前月比14.8%増の156万件―市場予想を大幅に上回る

経済

2023/12/20 8:17

<チェックポイント>

●住宅ローン金利低下で需要増期待―市場は今後も増加を予想

●一戸建ては前月比18%増、アパートは同8.9%増

●12月も堅調維持なら10-12月期GDPの住宅投資部門を押し上げ

 米商務省が19日に発表した11月の住宅着工件数(季節調整値)は、年率換算で前月比14.8%増の156万件となり、市場予想の平均値である136万件を大幅に上回った。前年比は9.3%増と、4カ月ぶりに前年水準を上回った。10月分は速報値の137.2万件から135.9万件に下方改定された。

 内訳は、主力の一戸建てが前月比18%増の114万3000件と急増し、月毎に変動が激しいアパート(5世帯以上)も同8.9%増の40万4000件と大きく伸びた。

 住宅ローン金利(30年固定金利型ローンの金利)が低下傾向にあることから、市場では、住宅購入者のアフォーダビリティー(住宅取得能力)の改善で需要が回復するとの期待や、見方から建築業者が一戸建ての建築ペースを速めたほか、中古住宅の供給不足も着工件数が急増した背景とみている。住宅ローン金利は12月に8月以来の7%割れとなっており、市場では今後数カ月、住宅購入需要が拡大し、それに伴い、着工件数もさらに拡大すると予想している。

 先行指標である建築許可件数は、前月比2.5%減の146万件と、前月の同1.8%増から減少に転じたが、市場予想と一致した。主力の一戸建てが同0.7%増の97万6000件と10カ月連続で増加したが、アパート(5世帯以上)は同9.6%減の43万5000件と減少に転じた。

 バックログ(受注残)は一戸建てが前月比4.2%減の13万6000件、アパートが同0.7%減の13万5000件となり、全体では同2.5%減の27万6000件となった。

 建築許可が下りたあとの建築中件数は、一戸建てが前月比1.9%増の68万件、アパート(5世帯以上)は同0.1%減の98万8000件、全体では同0.7%増の168万5000件となった。

 10-11月の建築中件数の月平均が146万件と、7-9月の月平均である137万1000件を上回っており、12月も堅調を維持できれば、24年1月25日発表予定の10-12月期GDP(国内総生産)速報値の住宅投資部門を押し上げる見通し。

 なお、完成住宅件数は、一戸建てが前月比3.2%減の96万件、アパート(5世帯以上)は同26.5%増の47万2000件で、全体では同5%増の144万7000件となった。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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