米11月新築住宅販売件数、前月比12.2%減の59万件―市場予想を大幅に下回る

経済

2023/12/25 7:49

<チェックポイント>

●住宅価格の上昇が影響―さらなる金利低下を見込んだ手控えの可能性も

●供給増えた中古住宅市場にシフトも

●住宅在庫は高水準もすぐ販売できる物件数は限定的

 米商務省が22日に発表した11月の新築住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比12.2%減の年率換算59万件となり、市場予想の平均値である69万件を大幅に下回った。また、10月は67.2万件(速報は67.9万件)とやや下方改定された。前年比は1.4%増と、8カ月連続で前年水準を上回っている。

 11月の住宅価格が中央値(季節調整前)で前月比4.8%上昇の43万4700ドルとなるなど価格が高騰したほか、11月は住宅ローン金利が低下し始めたものの、住宅購入を希望する者が一層の金利低下を期待して購入を急がなかった可能性が指摘されている。中古住宅の供給が増えたことで、そちらにシフトした面もある。

 販売価格帯では、40万ドル以上の高額物件の販売比率が60%と、10月の53%から上昇した一方で、40万ドル未満の手ごろ物件比率は39%と、10月の47%を下回った。全体の販売件数の半分を占め、手ごろな価格帯の物件が多い主力の南部の販売件数が前月比20.9%減と、大幅に落ち込んでいる。

 住宅供給(在庫)をみると、新築住宅在庫(着工前や建築中の住宅も含む。季節調整値)は前月比2.5%増の45万1000件と6カ月連続で増加、22年11月(45万5000件)以来、1年ぶりの高水準となった。11月の販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準も9.2カ月相当と、前月の7.9カ月を上回り、22年11月(9.4カ月相当)以来の高水準で、住宅建築業界が需要と供給のバランスが取れた容認可能な水準とする6カ月相当を上回った。

 ただ、すぐに販売できる完成戸数は前月比2.6%増の7万8000件で、在庫全体の17.3%と少ない。未着工件数は全体の23.5%に相当する10万6000件、建築中件数は全体の59.2%の26万7000件だった。

 在庫全体では22年10月のピーク時の水準である46万6000件に接近しているが、フレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)の調査によると、現在の住宅取得需要は依然強く、需要を満たすためには住宅供給は最大400万戸不足していると試算されている。市場の一部では最大で500万戸が不足しているとの見方もある。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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